2009-01-01から1年間の記事一覧

諸行無常の生物

『生物と無生物のあいだ』(福岡伸一、講談社現代新書)を読んだ。この本は65万部のベストセラーだと新聞広告に書いてあったが、私が5人にこの本の話をすると、すでに読んだ人1名、読みかけの人1名、買ったけど未読の人1名という結果で、なんと6割の人が持っ…

新刊制作中

ただいま私の新刊の制作中です。9月1日発売予定のつもりですが、うーん、ちょっと遅れるかもしれません。前の記事でタイトルを発表しましたが、変えちゃおうかな、と思っていまして、変えると言っても、漢字をやめて仮名文字だけにしようかなと思っています…

漫画・劇画の歴史

少し前のことになるが、漫画・劇画の歴史に関する本が相次いで出版された。手塚治虫文化賞を受賞した辰巳ヨシヒロの『劇画漂流(上下巻)』(青林工藝舎)、吾妻ひでおの『地を這う魚〜ひでおの青春日記』(角川書店)、大野茂の『サンデーとマガジン』(光…

『1Q84』重箱の隅

新聞によれば、出版業界は起業する会社が戦後最低水準になり、廃業・倒産する会社が増える一方だとか、返本率が40%をなかなか切らないまま続いていてどうにもならないとか、まったくもって暗いニュースばかりだ。書店も厳しい状況にある。「業界紙「新文化…

ロン・ミュエク

先日オーストラリアから帰国しました。2週間の旅行だったので、日本が懐かしく感じることはまるでないが、留守中にスワローズが7連勝していたのには驚いた。今年のスワローズは不思議に強い(と言ったとたんに巨人に1勝2敗となる)。 オーストラリア旅行から…

雨のブリスベーン

事故もなく、無事にキャンピングカーの旅を終えてケアンズにたどり着いた。ケアンズはたいして大きな町ではないが、その割に土産物屋がやけに多くて、かなりの店で日本人か日本語を話す店員が働いている。よほど多くの日本人がこの町にやってくるのだろう。 …

オーストラリアのキャンプ場から

私は今、オーストラリアにいる。なぜオーストラリアにいるかについては、謎の事件があったのだが、機密上、詳細は過去のブログを参照されたい。 で、今、オーストラリアのユンゲラ国立公園というところにいる。キャンピングカーを借りて、クイーンズランド州…

世界環境ディ

昨日は世界環境ディだったそうだ(拍手)。ラジオでもエコエコとうるさかった。昨日に限らず、近頃はどこにいてもエコエコという声が聞こえてくる。うちの近所で金の買い取りをやっている店があるが、そこではのべつまくなしに「金を買い取りま〜す、ダイヤ…

まぼろしの市街戦

大学時代、友人Pから、この映画はいいからぜひ見ろといわれていた映画がある。そいつがおもしろいと言っていた映画は他にもあったが、その映画は、友人の極めつきのお気に入りで、「この映画はPの映画」というイメージが仲間内にあった。それが「まぼろしの…

『聖なるインド、はるかなネパール』の装幀2

さっき印刷屋さんが来て、『アジアのディープな歩き方2 聖なるインド、はるかなネパール』のデータを持っていった。というわけで、最終的なブックデザインが決定しましたので、お知らせします。これです。 左右のデザインがいいという意見がわずかに多いよう…

『聖なるインド、はるかなネパール』の装幀

本日、3日がかりで本誌の発送作業を終え、引き続き堀田あきお&かよさんの新刊『アジアのディープな歩き方2 聖なるインド、はるかなネパール』(タイトルが長い)を制作再開する。本文というか中身の漫画部分は小川が担当して作業中なので、私は装幀をやって…

美しいって何?

このまえNHKで「爆笑問題のニッポンの教養」を見ていたら、グラフィックデザイナーの原研哉氏が「シンプルという美しさ」について話をしていた。私たちはごく普通に「シンプルで美しい」という表現をするが、いったいシンプルさが美しいことになったのは何故…

次号の制作終了報告とあぜんとなった本

ようやく次号の制作がほぼ終了し、今は青焼き(印刷見本のようなものですね)を待っているところである。表紙はこういう感じです。写真は、キューバ音楽のCDなども出している写真家、高橋慎一さん。 前にも書いたが、今回は巻末のキューバ旅行情報に富永さん…

その後のタイトル問題

新種インフルエンザ問題におびえつつ、次号を制作している。このまま事態が収束しないと、書店が本を置いてくれないかもしれないと思うと、ぐったり疲れて、夜はぐっすり眠れる。人生はなるようにしかならないものだ。 ところで、先日より頭を悩ませている私…

インフルエンザと経営問題

メキシコの豚インフルエンザによる死亡者が大幅に減り、弱毒性であることが発表されて、ほんの少し胸をなで下ろしている。新種のインフルエンザは中国や東南アジアから発生するのかと思っていたが、メキシコとは意外だった。結局、地域はほとんど関係ないと…

タイトルが問題

うーん、もう1週間が過ぎてしまった。早いねえ。書くことないです。引き続き、本誌の制作に追われているところで、台割り(ページの割り振りのことです)を何度もいじったり、レイアウトをやり直したり、そういうことばかりやっている日々。 今、悩んでいる…

地図ができるまで

ただいま本誌次号(160号/6月1日発売予定)を制作中。次号の特集はキューバです。ニュースを見ていたら、オバマ大統領がキューバに対する経済制裁を緩和するといっていた。これから、キューバはどんどん開かれた国になっていくのだろう。 キューバはこれと…

インドの禁煙

4月からJR線の全駅で全面禁煙になった。私は喫煙者だが、駅のホームでタバコを吸ったりはしないので、とくに困ることもない。駅での禁煙は世界的な風潮のようで、欧米はもちろんインドでさえ駅(および公共施設)は禁煙になっている。これには少々驚いた。 _…

現代日本の「貧困」と世界の「絶対貧困」

締め切り時刻を1時間遅れて、さっき原稿をメールで送った。「週刊現代」に掲載される予定の『絶対貧困』(石井光太、光文社)の書評である。編集者の方、原稿が遅れて申し訳ありませんでした(反省)。 やれやれと一息ついて、ふと見ると、イスの下にほっぱ…

『働く!!インド人』

私は練馬区に住んでいて、以前は会社も練馬駅の近くにあった。それで、練馬駅のすぐ近くにある南インドレストランがひいきの店になっている。これからご紹介する漫画『働く!!インド人』(流水りんこ著/朝日新聞社)は、その南インドレストラン「ケララバワ…

忘れる、しかも二人で

インドへ出発した日、成田の免税店でマイルドセブンを2カートン買った。2カートン買うと、ポチ袋と腕時計がおまけについてくる。タバコの外箱に貼り付けてあるおまけをひっぺがして、バッグにしまうと、小川京子が「タバコを私のカバンに入れておこうか?」と…

インド人が日本人化している?「クーリエ・ジャポン」の特集を読む

インドから帰国しました。帰国便の飛行機が成田空港に着陸したのが午後8時20分だったが、パスポート管理を終えて、荷物を拾い上げて外に出ると、ああ、わずか2分前に大泉学園行きの最終バスが出たあとだった。うーん、残念無念。 インドへ出発した日、成田空…

インド東部オリッサの田舎町から

久しぶりの更新になってしまい、大変申し訳ありません。今、私はインドのサンバルプールという町にいる。サンバルプールと聞いてピンとくる方は少ないでしょうが、ここはインド東部オリッサ州の少し内陸地にある町で、イカット(絣)で有名なところです。 今…

最近のこと

何故かわからないのだが、本誌最新号(159号)がよく売れている。いつもよく売っていただいている書店からも追加注文が来るし、これまで取引のあまりない書店からも問い合わせが来る。アジア専門の書店からもルーマニア特集なのに追加がきた。アマゾンでも、…

美は細部にも宿る

昨日まで開催されていた池田学の個展を、中目黒のミヅマアートギャラリーへ見に行く。 http://mizuma-art.co.jp/top.php 池田学はマスコミでもよく取り上げられているので、ご存じの方も多いだろうが、この前は朝日新聞で「ニュー若仲派」などと書かれていた…

オーストラリア旅行

それは昨年の暮れだった。新聞を開くと、派手な全面広告が目にとまった。今度日本に就航するオーストラリアの「ジェットスター航空」の広告だ。話題になったのでご記憶の方も多いだろう。就航記念でなんとオーストラリア往復チケットを8000円で販売するとい…

横谷宣、個展「黙想録」

横谷宣さんの初の個展「黙想録」へ行ってきた。作品については、田中真知さんが自身のブログでも詳しく紹介なさっているので、そちらもごらんいただきたいが、私自身は以前、横谷さんの家へ押しかけて作品を拝見したことがあった。そのときに衝撃を受けた経…

2009年の予定

あけましておめでとうございます。今年も旅行人と当欄をよろしくお願いします。当欄の今年の目標は、平均週1更新、年間50回更新です。一カ月ぐらい取材に出ることもあるので無理かもしれませんが、なるべくがんばります。 さて、次号の本誌(6月1日発売)は…