雨のブリスベーン

 事故もなく、無事にキャンピングカーの旅を終えてケアンズにたどり着いた。ケアンズはたいして大きな町ではないが、その割に土産物屋がやけに多くて、かなりの店で日本人か日本語を話す店員が働いている。よほど多くの日本人がこの町にやってくるのだろう。

 次の日に、ケアンズからジェットスターブリスベーンに飛んだ。ケアンズの安宿で、最安バス料金の料金表があり、それにはケアンズブリスベーン259ドル(およそ21000円)とあった。私が日本で予約したジェットスターの料金は186ドル(およそ15000円)だ。格安フライトだと聞いていたので、186ドルでもちょっと高いと思ったのだが、バスより飛行機の方がずっと安いとは驚きである。

 これまでずっと晴れていたが、ブリスベーンでは雨になった。飛行機のタラップを降りると、急ぎ足で空港ビルへ駆け出さなくてはならない。雨だからしょうがないんだが、建物まで200メートル足らずでバスを使うほどの距離ではないし、雨に濡れながら飛行機を降りたのは初めての体験だったので、かなり奇妙な感じがした。

 ブリスベーンクイーンズランド州の州都で、ここはかなりの大都会だ。人口170万人でオーストラリア第3の都市だそうだ。これまでキャンプ場ばかりにいたもんだから、見かける人といえば、その多くが白人の年寄りだった。主にキャンプを楽しんでいるのはそういう人々なのだ。ところが、ブリスベーンのような大都会に来ると、インド系、アラブ系、中国系、韓国系などなど実にまあいろいろな人が行き交っていて、聞こえてくる言葉の種類の多さに驚かされる。オーストラリアにはこんなにいろんな人がいるのかと実感する。こういう移民はおもに都市に集中するのだろう。


           雨に煙る夜のブリスベーン

 さて、この町で今回の短い旅も終わる。最後にレンタカーの積算メーターを見たら、合計2900キロ走ったことになっていた。日本でいえば、2900キロだと北海道から九州まで届く距離になる。しかし、さすがオーストラリアは日本の21倍を誇る大陸なので、これだけ走ってもクイーンズランド州の東側を4分の3ほど北上したに過ぎない。とにかくでかい国だということは実感できた。ついにコアラは見なかった。カンガルーは生きたカンガルーより死骸を3倍以上見た。カンガルーは交通事故で絶滅寸前かと思ったら、ケアンズの土産物屋ではジャーキーにして売っていた。こんなもの食っていいのかと聞くと、増えすぎて困るので、3割ほどは捕獲して食べたり革製品を作ったりしているそうである。記念にカンガルー革の小銭入れを購入した。


           カンガルーを激写する小川

 ではまた、次は日本から。