インド東部オリッサの田舎町から

 久しぶりの更新になってしまい、大変申し訳ありません。今、私はインドのサンバルプールという町にいる。サンバルプールと聞いてピンとくる方は少ないでしょうが、ここはインド東部オリッサ州の少し内陸地にある町で、イカット(絣)で有名なところです。

 今回のインド旅行は、1月下旬にムンバイ(旧ボンベイ)に入り、マハラシュトラ州からマディヤ・プラデシュ州、チャッティスガール州とまわり、一昨日オリッサ州に入ったところ。

 チャッティスガール州は、2000年にマディヤ・プラデシュ州から分離独立した新しい州だが、いわゆるアーデヴァシィー(インド先住民)の多い地域で、アーデヴァシィーの州として独立を果たした。

 チャッティスガールは全体的に田舎なのだが、それでも都市部にいるのはヒンドゥーを中心とした非アーデヴァシィーで、アーデヴァシィーの住んでいるところは山間部の電気もなかったりするような田舎なんですねえ。

 そういうところを、ぼちぼちまわっているのは、アーデヴァシィーの絵や真鍮細工などを見るためで、車をチャーターしないとまわれないようなところが多い。そういう村は、泥壁の粗末な家ばかりだが、それでも柔らかい曲線を描いた泥の家が作り出す村の風景は、穏やかで静かで、本当に美しいものであった。このレポートは、多分遅くとも秋には出版する予定の私の新刊に書き下ろすつもりなので、その節はよろしくお願いします。

 昨日は、コラプットという町から乗った夜行列車が、サンバルプールの60キロ手前でストップした。乗客が教えてくれたのだが、この列車の一本前の列車が踏切事故を起こして停まっているという。なんでも、結婚式のために大勢が乗り込んだ車と列車が踏切で衝突し、17人が死亡したらしい。それで住民が怒り、ぶつかった列車に投石し、挙げ句の果てに機関車に火をつけたとかで、警官が繰り出して鎮圧したというんである。

 確かに結婚式の車が大事故を起こしてしまったことは悲劇であるが(花婿が死亡した)、それでも踏切事故だからなあ。怒って機関車に火をつけるってのが理解できないけど、そういうわけで昨夜は列車が6時間遅れて、サンバルプールに到着したのが夜中の11時になってしまって、かなり疲労気味である。このたびもあと少しなので、なんとかがんばります。

 それでは、また。