東京〜鹿児島1400km

 所用があって鹿児島へ帰ってきた。せっかくなので、途中の福岡で福岡アジア美術館のインド展を見て、友人の家に数泊し、そして今日、鹿児島の霧島に帰着した。おおよそ1400キロぐらい走った。

 東京を出発したのが、2月10日の昼頃で、東名高速をずんずん西へ走り、名古屋を通り抜けて、大阪の手前の土山サービスエリアで車中泊する。ここまでいい天気だったが、夜になってちらほらと雪が舞い始め、夜中はかなり冷え込んだ。それでも断熱シートを敷いて、シュラフに入り、コタツ布団をかぶって眠ったので、さほど寒さは感じなかった。

 朝3時半に起きて、夜明け前の4時に出発する。雪はまだ降っており、もしこのまま雪が降り続くと、ノーマルタイヤでチェーンもないので立ち往生することになるかもと心配したが、夜が明けると空はすっかり晴れ上がり、快調に走ることができた。


山陽道を走る。運転しているのは小川。


 京都、大阪を抜けて、山陽自動車道に入り、そのまま下関まで午前中に走り抜けた。道路が空いているので非常に楽だ。関門海峡の橋を渡る前に、橋の袂にあるパーキングエリアのレストランで、海峡を見ながら食事をする。1280円の石焼きうにサザエ飯がうまい。

関門海峡を行く船

 食事を終えて、関門海峡橋を渡り、九州に入る。福岡市の都市高速を通って芥屋(けや)へ。ここの友人の家に3泊お世話になった。私は中学校の修学旅行で福岡に来て以来だったので、まあ、福岡に来たのは初めてのようなものだ。巨大なヤフードームの横をすり抜けて走る福岡の都市高速道路は未来都市のような雰囲気だが、なぜかこの高速道路は、高速道路からの出口と入り口が右側の追い越し車線にあるという不思議な設計になっていた(普通は追い越し車線ではなく左側の走行車線に出入口はあるものですよね)。

芥屋の岐志漁港

 福岡アジア美術館で、学芸員の五十嵐さん、来訪していたグレゴリ青山さん、講演にいらっしゃった松岡環さんと会う。展示は非常に立派で、私の出品した石鹸の包み紙から、秋野不矩日本画横尾忠則の油絵、杉浦康平のポスター、加藤豊さんのインドにまつわる切手コレクション、そしてグレゴリ青山の映画スター写真などなど実に幅広い内容であった。けっこう人気があって来館者も多いと五十嵐さんがおっしゃっていた。

 今日、昼の2時頃福岡をあとにして、九州自動車道に入って鹿児島へやってきた。九州自動車道は、景色もよく、道路も空いているので、この道を走るのは楽しい。熊本から鹿児島へ入るのに山があって、その山々が長い間この高速道路の開通を阻んでいたのだが、熊本県の八代を過ぎてからの山越えの道は、23カ所のトンネルのあいだに橋が渡され、ここが大変な工事であったことをうかがわせる。この山間区間は景色が最高だ。霧島市に着いたのは午後5時半。福岡と鹿児島はずいぶん近くなったものだ。

 旅行人山荘の部屋に入って、窓から夕暮れの桜島錦江湾を眺める。雨上がりで空気が澄んで、錦江湾とその先の開聞岳まできれいに見える。錦江湾も夕日に照らされて美しい。こんな遠くまで見える風景もずいぶん久しぶりだ。

旅行人山荘から見た桜島の夕景