『TINY HOMES Simple Shelter』

 うちでも手づくりの家の本『セルフビルド』を出しているが、これはアメリカの出版社から出ているセルフビルド本。とにかくそのバリエーションの多さ、デザインの多様さ、自由奔放ぶりは見ていて大変楽しい。タイトルにあるように、紹介されている家はちっぽけな小屋もあれば、小さな山小屋もあり、家としては小さいが、車で引くには大きな家もある。

 しかし、豪華な家はほとんどない。すべてが手づくりというわけではなく、キットを組み立てたものもあるが、どれもがシンプルであり、住み心地が良さそうなものもあれば、ちょっとこれは危ないんじゃないの? というような小屋も収録されている。そのどれもが遊び心たっぷりで、デザイン優先というか、住めば都といった楽しい家も多く、それが見る側にはいっそう楽しい(自分で住むわけじゃないですからね)。

 こんな感じの家です。どれも楽しそうでしょ?


 他にも楽しい家がたくさん紹介されている。日本でこういう家を建てて住もうとしても、実はいろいろ建築基準法やら防火対策などの規制があってなかなか自由にはいかないことも多い。基本的に日本の新築住宅は、気密性があって、換気扇で空気を強制循環するように義務づけられている。つまり24時間電気を使って換気扇を回し続けなくてはならない家を建てなくてはならないのだ。信じられないことにこんなバカな法律が日本にはあるんですね。本書に紹介されるような、ゆるい家を建てるには、自分で建てちゃう以外にないかもしれない。

 さて、この本の驚くべきは本の値段だ。A4より少し大きいビックサイズで、215ページオールカラーなのに、1740円という安さだ。こういう住宅に興味がある方なら絶対に買って損はしませんよ。超おすすめ本です。