休刊と腰痛

 休刊をお知らせして以来、様々なところから取材が来たり、声をかけていただいている。先般、日経新聞に掲載されたのはお知らせしたが、その記事を見て初めて本誌の休刊を知り、お便りをくださった方も多い。10月になるとWebマガジン『Oyaji Hotdog Press(オヤジ・ホットドッグ・プレス)』にもインタビュー記事が出る(10月のいつだったかは忘れました)。

 それで、なんでうちみたいなマイナー雑誌の休刊が、こういったメジャーなメディアの記事になるのか不思議でしょうがなかった。インタビューに限らず、声をかけてくださったたいていの方々は、かつて(ときには現在でも)うちの雑誌の読者であったり、あるいはうちのガイドブックを持ってバックパッカーとして旅をしたことがある人々だった。つまり読者としてつながっていたのだ。

 私としては、このことは大変うれしかったし、読者に感謝したい。多くの雑誌が休刊を余儀なくされる現在、それぞれの編集長や制作者は残念な思いをかみしめながら、雑誌を終了させていく。にもかかわらず、よほど長く続いたり、話題になった雑誌でない限り、休刊や廃刊を他のメディアが取り上げてくれることなどないのだ。その意味で、うちのようなマイナー雑誌が取り上げてもらえるのは、もちろん発行期間の長さゆえではなく、有名だったわけではむろんなく、他のメディアにいる読者が気にとめてくれたからだ。これ以上の幸福はない。

 なかには、大変だろうから私の企画を採用しなさいという話もきて、笑って無視しているが、お気持ちだけはありがたく頂戴しておく。

 たびたび書いていることだが、とにかく体力の問題が大きくて、実はここ数日もまた腰痛が発生して困っている。近頃は一仕事終わるたびに腰が痛くなる。すぐに次の取材に出なくてはならないのに、どこまで私の腰が持ちこたえるかが大きな問題になりつつある。腰痛ぐらいたいしたことないと、経験のない方はお考えになるかも知れないが、これが実はなかなかあなどれないもので、なにしろ腰痛が悪化すると歩けなくなるんだから取材にならない。

 もう少し若い頃は、取材に出て歩いているうちに腰痛は治ったものだが、この前のベンガル取材では逆に悪化してしまった。それでけっこう落ち込んだ。やはり身体の老化が進んでいる証拠である。しょうがないなあ、そういう歳なんだから。

 てなわけで、腰に不安を抱えながら取材旅行に出る。もし途中で腰が悪化したら、次号の特集も取材費もパーなので、なんとか気力でがんばります。目的地は南コーカサスアゼルバイジャンアルメニアグルジアをひとめぐりする予定。腰痛退散、旅の無事を祈ってくれい!