『アジア文庫から』

 えー、次号の制作もようやく終了し、昼過ぎに印刷所に入りました。すでにトップページに掲載されているが、特集は「美しきベンガルの大地へ バングラデシュ西ベンガル州」。定価が1300円(税込1365円)に上がりました。すいません。ページ数が160ページに増えたのです。

 ベンガルといっても、あまりなじみがないかもしれない。なにしろベンガルで検索すると、猫かタレントの名前が最初のほうに出てきますからね。ベンガルという地名が残っているのはインドの「西ベンガル州」ぐらいで、地域名としてベンガルという名前は地図上からは消滅している。現在のバングラデシュ西ベンガル州を中心とする地域がベンガル地方になるのだが、インドとバングラデシュが別々の国家として独立して、ベンガルという一つの地域はなくなったのだ。バングラデシュという国名はバングラベンガル)+デシュ(国、土地)という意味だ。バングラディッシュという表記はやめてもらいたいですねえ。ベンガル人の皿じゃないんだから。

 ところで、今日は訃報がある。たぶん読者の中でもよくご存じの方がいらっしゃると思うが、神田神保町の「アジア文庫」の大野信一さんが、ガンのためにお亡くなりになった。今年の1月のことである。アジア文庫にはうちも本当にお世話になり、同人誌時代からずっと置いていただいていた。ここで初めて旅行人(当時は遊星通信)を知った方もいらっしゃるだろう。まだ59歳の若さだった。

 大野さんは、アジア文庫の通信誌「アジア文庫から」を出し、ホームページを運営していたが、そういうところにエッセイや近況を書いていた。そういった文章をまとめて本を作ろうという話になった。編集を受け持ったのが前川健一さん。ただの追悼集ではおもしろくないから、アジア文庫の歴史を通じて、この20年の、いわゆるアジア本(日本人が書いたアジアについての本)の歴史や変遷がわかる本にしようということになった。

 私は、装幀と本文組みを担当した。次号の旅行人と平行しての作業だったが、それも数日前に印刷所に入り、5月下旬に完成する。こういう本だ。


 この『アジア文庫から』は出版社めこんが販売する予定。めこんのホームページでその手続きができるようになるのが、たぶん本ができる5月下旬頃になると思う。もし、読んでみたいとお思いの方は、その頃にめこんのホームページを見てみてください。頒価1200円(税込・送料サービス)です。利益度外視で原価割れの価格ですし、刷り部数もほんの少しですから、ご希望の方はお早めに。

めこん http://www.mekong-publishing.com/