しぶい月刊誌

 古本専門雑誌というしぶい月刊誌がある。「彷書月刊」という。名前もしぶい。「ほうしょげっかん」と読む。「月刊彷書」とするのが普通ではないかと思うが、逆なのがまたなんとなくしぶい。よくわからないけど。版元は彷徨社というところだ。

 で、この雑誌、どういうふうな内容かというと、A5判96ページのうち24ページほどが古本屋さんの広告で、古本の目録になっている。これ自体が情報広告になっているのだ。

 毎月特集を組んでいて、例えば去年の特集は、「2004年の古本屋」「上田トシコの引き出し」「映画制作のクロスワード」「踊りませんか」「ギャンブル・ブック」「明治人のアジア体験」「第四回古本小説大賞発表・珍品大オークション」などなど。古本に関係ありそうなテーマもある一方、古本とどう関係があるのかわからないのもある。けっこう好き勝手にやっている感じだ。

 最新号(05年1月号)は「はじまりの本」。岡崎武志さんと山本善行さんが「文庫はじめて」物語という対談をやっていたり、『子供の科学』の創刊の話が載っていたりする。連載陣は河内紀岡崎武志常磐新平と豪華な執筆陣が揃っている。いったい何部出ているんだろうか。

 そのなかで、なんとグレゴリ青山が「ブンブン堂のグレちゃん」という漫画を連載しているのである。最新号で連載は20回目に突入だ。とりあえず他の執筆陣はおいといて(すいません)、この漫画が非常におもしろい。グレゴリが京都の古本屋でアルバイトしていた時代の話で、店長さんや店員、あるいは客とのやりとりが漫画になっている。古いものが好きなグレゴリが楽しそうに描いている感じがして、とてもいい。

 グレゴリ・ファンは見逃せない雑誌だが、どこにでも売っているという雑誌ではないようなので、とりあえず詳細は http://www3.tky.3web.ne.jp/~honnoumi でご覧下さい。

追記】その後、この連載漫画は一冊の本になりました。とてもおもしろいので、おすすめです。