意味のない節電

 世間の雰囲気は節電一色となりつつある。皆さんも節電に心がけていらっしゃるだろうか。テレビでも節電グッズを盛んに宣伝しているが、中には意味のない節電グッズも多い。ある番組では、夜、暑くて眠れないけど、節電のためにエアコンは我慢して、快適に眠れる水冷マットを! と宣伝していた。まったく意味のない節電用品である。

 何故意味がないかといえば(お気づきのこととは思うが)、節電しなければならないのは、夜ではなく、電力需要のピークを迎える午後2時前後だからだ。ピーク時の電力使用を少なくして、供給能力を超えなければいいのであって、それ以外の時間帯に節電しても意味はない。料金の節約にしかならない。

http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/japan/sw_index_05/index.html

 その意味では、夜しか使わない電灯を、消費電力の少ないLEDに換えても無意味だが、LEDは量産されるにつれて安くなってきたので、コストパフォーマンスはよくなった。近所の街灯も節電のために点灯が間引きされているが、街灯は夜しか使わないのだから、これも無意味だ。または節電グッズと銘打って、かまどご飯釜を売っているが、真っ昼間に電気炊飯器でご飯を炊かなければいいだけの話だ。

 非常に不思議な対策がサマータイムだ。なんでサマータイムにすることが節電になるのかわからない。経団連がこの震災復興に向けた緊急提言を行ない、電力対策として「サマータイム制度」の導入提案したという。
「夏の間だけ時計を1時間進め、涼しい早朝から仕事を始めて夕刻早く仕事を切り上げる。夜は早く寝る生活サイクルに変えることで省エネにつながるとされる」などといっているが、省エネになったって電力対策にはならない。1時間早くしたところで、勤務時間は09〜17時が08〜16時になるだけだ。電力消費のピーク時は13〜15時だからこんなのはまったく意味がない。暑い昼間は仕事をやめて、公園で昼寝する方がまだましだ。

 なんでこういう意味のないことばかりやりたがるのか不思議でしょうがない。いったい誰がどのような理由で提案しているのかお聞きしてみたいものだ。