情けない盗作

 TBSの部長さんがホームページで文章を書くのに、新聞から盗作したとニュースで何度も報じられていた。それでテレビの画面を見ていたら、この部分が盗作だと、そのサイトの問題箇所を映していたのだが、それを見てもどうも理解できない。

 それで、ちょっと検索してみたら、その問題ページがうまいこと検索で引っかかったので、読んでみた。「黄金週間」というタイトルである(どうでもいいことですけど4/27頃、いろんなサイトで編集長と名乗る者どもがGWだの黄金週間だのというタイトルで陳腐な文章を書いていたわけですね、と天にツバする)。

 読んでみたが、まあ、どうということもない文章で(と再び天にツバする)、黄金週間という言葉は映画界から生まれた→スポーツを題材にした映画がある→映画化された伝説的な野球選手もいる→漫画になった野球選手もいる→そういう選手とヤクルトの古田が2000本安打で肩を並べた→交流戦が始まるので、プロ野球にも黄金週間になるといいな というようなお話である。

 これのどこを盗作する必要があるのか。私にはそれがよくわからなかったのだ。だって、盗作って、普通オリジナルの文章を書いた人しか知らないことだから盗用するわけでしょう。誰でも知っていることだったら、わざわざ盗作しなくたって書けるはずである。

 で、読売新聞がいうには、古田選手に関する部分が「「よみうり寸評」(40行)のうち約30行と表現が同一、または酷似し」ていたというのであるが、そこに書いてあるのは、生涯安打数の1位が張本で、2位が野村、3位が王、だとか、2000本到達時の試合数は、川上が1646試合で最速で、2位が長嶋、3位が張本だという、誰でも知っているようなことである。「そこに、今夏40歳になる古田が名を連ねました。」という部分も盗作なんだそうな。

 盗作自体も情けないが、盗作をするにもこんな情けない盗作があろうとは。「ネタがなかったので」と言い訳なさっていたようだが、このネタだったら何も盗作する必要なんかないですよ。誰でも知っている公開されたデータを使っているだけだから、表現をちょっと変えるだけで、少なくとも盗作にはならないような文章は書ける。編集長を名乗って、サイトに自分のコラムまで持っている人が書けないはずないでしょう(とまたまた天にツバする)。本当は、そもそもこういうことをしたら盗作になるという認識がなかったのではないの?