私が欲しいもの2

 私は「クルマ・ホームシアター古伊万里」が欲しいと先に書いた。しかし、どれも買い求めるまでに至っていない。その一方で、近頃「こんなものがあるよ〜」といった誘惑の手が次々と伸びてくる。

 最近では、前川健一さんと田中真知さんが買ったというHDDレコーダーだ。前川さんから最新電子機器の購入話を聞こうとは思っていなかったが、話を聞くと、以前は10万円ぐらいはしたHDDレコーダーが5〜6万円に下がっているらしい。4万円になったら買おう、と前は思っていたのだが、いよいよその時期が近づいてきて、本当に私はそれが必要なのか自問する毎日である。

 次に、買わなければならない、かもしれないのが、デジタルカメラである。これはもちろん仕事に必要なのだが、これまで使っていた光学式フィルムカメラだと、フィルム代、現像代、それに印刷の製版に金がかかる。デジカメは、最初の投資は必要だが、一度買ってしまうと、その後の経費がかなり安くなるのである。フィルム代だけでなく印刷代も安くなるし、管理もしやすい。最近はプロのカメラマンも仕事で使うのはデジタルが多く、またこちらもデジタルデータでもらえると非常に助かるのだ。

 ちょっと前までは、デジタルデータは印刷の発色がよくないと思っていた。その原因は主に制作者である私にあったのだが、近頃は印刷所もデジタルデータに対するノウハウが蓄積されて、黙ってデータを渡すときれいに印刷してくれるようになった。それだったらデジタルのほうが断然コストが安い。というわけで、私もデジカメが必要になりそうなのだが、これは自問するよりコスト計算すれば結果は出るはずである。あとはそれを買う現金があるかどうかだけだ。

 ところが、そういいながら、実は光学式のズームレンズも一本欲しい。というのも、私の持っているカメラはコンタックスなのだが、なんと製造元の京セラがカメラ事業をやめてしまったのだ。ということは、もうコンタックスのレンズは手に入らないということだ。うーむ、このカメラを使わないというわけにもいかないし、どうしようかと思っていたら、カメラマンの友人に「そりゃあ今のうちに買っておいたほうがいいよ」などといわれてしまった。が、そんな簡単に買えるような値段ではない。デジカメかレンズかのどっちかひとつだが、現実的な選択はやはりデジカメか。

 もっと深刻なのが、会社で使っているコンピューターだ。このサイトはもちろん、デザインも原稿書きも、メールも経理もすべてコンピューターで行っている。しかし、うちを訪れた人は、その古さにみんな目を丸くする。こんな古い機種でやってるんですか、とか、いやあ、懐かしいですねえ、とか、そういうことばかりいわれる。新しいソフトはどんどん使えなくなってくるし、今や、いつ動かなくなっても不思議ではない旧型マシンなのである。

 とはいえ、機能に不満があるわけではない。ちょっと遅いとは思うが、早い遅いは相対的な問題であり、速いマシンを使ったことがないので、うちのがそんなに遅いとは感じないのである。しかし、壊れてしまったらどうしようもない。本当は壊れる前に新型に移行するほうが無難なのだが、かかる費用が並みではない。マックの旧型マシンの場合は、コンピューター本体だけを買い換えればすむわけではなく、周辺機器もそっくり変える必要があるので、なかなかモデルチェンジできないのである。だが、そのときがくれば(つまり壊れるときがきたら)否応なく買い換えねばならないだろう。

 最後に、必要かもしれないのが、体脂肪計付き体重計である。そういう年なのだ。必要である、と小川京子に言ったが、勝手に買えと即答されたので買い求めることにする。この程度の現金ならあるしな。