近況

 長いあいだブログの更新をせず、すいません。前にも書いたように、ツイッターだのフェイスブックだのやっていると、そっちのほうにかまけてしまって、ブログがおろそかになってしまいました。

 ご存知のようにツイッターはわずか140文字なので、まあたいしたことは書けないのが逆に書きやすい。フェイスブックも長文を書く人はほとんどいないので、写真を貼り付けるだけでOKという手軽さがあり、あまり構えずに更新できるのだが、ブログとなると、話題を定めて、ちょっとした記事を書くぞという気構えが必要になって、それがまあ遠のいている要因でもあるわけですね。実際にはブログだってたいしたことは書いてないんだけど。

 この前の中国で起きた反日デモに関して、上海在住の中国人Hao Liさんのブログを、「日本人の嫌いな中国は、中国人の嫌いな中国と同じものである」とタイトルを付けてのせたところ、今まで見たこともないような星がびかびかと付き、FBのいいねボタンが1000近くも押されるということになった。もちろん私の文章に対する評価ではないので、ただただ驚いただけですけどね。

 体調が回復してからほぼ一か月というもの、他社から依頼された単行本の書き下ろし原稿に没頭していた。私が初めてインドの旅に出てから、旅行人を設立し、雑誌「旅行人」を休刊するまでの30年を描くというもので、いわば一種の半生記のようなものだが、そんなもの読む人がいるのかという疑問を担当の編集者にぶつけると、必ずいますというお答えだったので、書いてみることにした。一か月で400枚近く書いてちょっと疲れたが、原稿はまだまだ続く。たぶん500〜600枚ぐらいになるのではないかと予想される。まあ、30年分ですからね、1年20枚でも600枚にはなるわけで。

 しかし、もともと記憶力が貧弱なうえ、寄る年波で物忘れもひどく、この30年で何をやったか忘れていることの方が多い。それで、いろんな人に電話したり、メールしたり、会ったりして話を聞くと、いや、人の話は聞くもので、私の記憶よりよほどおもしろいことがぞくぞくと出てくる。それを読者が読んでおもしろいのかは私にはわからないが、個人的にはそういうこともあったなあとか思い出して、それをどしどし書き連ねていったというわけです。
 この本がいつ出るのか、何というタイトルかもまだ未定。たぶん来年中には出ると思うので、詳細が決まったらまたお知らせします。

 それから、11月20日ごろから、神楽坂の光鱗亭ギャラリーで、「インド先住民のアート」と題した小さな展覧会をやります。私がインドで集めてきた先住民の絵画や工芸品を展示し、それについてのトークもする予定ですので、興味のある方はぜひどうぞ。私が自分で言うのもなんですけど、インド先住民のアートはなかなか見られませんし、なかなか美しいものですよ。これも詳細が決まり次第、当欄などでお知らせします。それではよろしくお願いします。