謹賀新年

 明けましておめでとうございます。

 年末の宝くじは例年になく1等に肉薄した。52組124まで迫ったが、下3ケタで空しく散った。だが微かに胸がときめいた。結局300円が1枚当たっただけ。初詣のおみくじは末吉だが、これにはまったく胸がときめかず、うれしくもなければ悲しくもない。そもそも私は本来が無信心なので、おみくじの場合は大凶でもまったく気にしない。宝くじの方は1等と7等では今後の人生が変わる可能性がある。

 初詣など何十年ぶりのことか、記憶にないほどだが、少なくとも東京に住み始めて以来、初めて行った。信心もないのに初詣などをやったのは、散歩の理由をつくるためだ。正月を運動もしないでごろごろしていると、体重がめきめきと増加する。だからとにかく身体を動かす必要があるのだ。

 最初、大泉学園駅の近所にある北野神社に行った。ここでは毎月第三土曜日にガラクタ市が開かれているが、それ以外はあまり人がいるところを見たことがない。だが、さすがに正月ともなると、大勢の参拝客が訪れ、参道をはみ出して人が並んでいる。これでは神社までたどり着くのに1時間はかかりそうなのであきらめる。1時間も並んでまで参拝する熱意はない。

 次に、目白通り沿いにある氷川神社に行く。ここは北野神社よりは小さくて、日頃は神社があるのも気がつかないほど(失礼)のところだが、なんとやはり参道からはみ出して人が並んでいる。正月にはこんなにも初詣客というのが多いものなのか。いやはやなんとも、初めて知りました。それで、結局ここも並ぶ根性がなくてパス。それで正月の散歩は終了する。翌日に行ったら、今度は待ち時間15分程度だったので、無事に参拝し、おみくじを引いたというわけ。

 氷川神社って、けっこうあちこちにあるが、府中にある大國魂神社に属する武州六大明神のひとつなんですね。氷川神社の総本社はさいたま市大宮区にあるそうで。この大宮区も、氷川神社が「大いなる宮居」であることから付けられた地名だそうだ。大泉学園は埼玉県に近いから氷川神社の勢力が強いのかなあ。一方、駅そばにある北野神社。こっちは京都にある有名な北野天満宮の支社でしょう。学問の神様として知られたところなので、受験生が大勢参拝するのかもしれない。

 調べてみると練馬区にある神社だけで56社もある。こんなにあるとは思わなかった。豊玉北にある市杵島神社などは江戸時代には存在したが、創建は不詳。市杵島姫命は九州福岡宗像神社中津宮の神で、海神の三女神の一柱だが、なんでここにあるのかその由緒も不詳らしい。うーむ、ここに初詣に行けばよかったかなあ。

 さて、今年は本誌の発行がなくなったので、単行本の刊行だけだが、前にもお伝えしたように、1月末に石井光太さんの『アジアにこぼれた涙』があり、次に堀田あきお&かよさんの『続アジアのハッピーな歩き方(仮題)』が予定されている。もうちょっとしたらもう一冊ぐらい決まるかもしれない。実にゆるい出版活動だが、今年もよろしくお願いします。皆様もよい年になりますように。