ああ、中国鉄道

 なんだか本当にアメリカがデフォルトになりそうだといわれ、ドル安が止まらない。信じられない話だね、まったく。アメリカがデフォルトしたら、アメリカ国債はパー。てことは、日本が保有する約6000億ドル(約48兆円)の米国債はただの紙切れになるのか?


米国債務問題>与野党歩み寄り見られず 上限引き上げ(毎日新聞 7月27日)
 オバマ米大統領の放漫財政や経済失政を攻撃材料として温存したい共和党と、大統領の再選に不利な材料を事前に摘み取りたい民主党は、米国経済と世界の市場を人質に取る形で「危険な政治ゲーム」(オバマ大統領)を続けている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110727-00000067-mai-int


 私が世界経済を憂えるなどとは場違いも甚だしい。たんなる雑談として聞いて欲しいが、日本でも大災害を政局に利用する愚かな政治家ばかりかと思ったが、アメリカも負けてないね。大統領を引きずり下ろすために、世界経済を政局に利用するなんて信じられないようなバカなことをやるもんだ。

 もちろんアメリカがデフォルトしたら世界経済は破滅するので、いくらなんでもそんなことはできないし、最終的には両方が歩み寄るだろうという観測が為されているが、その間にも円高ドル安は進行しているのはご存知の通りで、トヨタなどの輸出関連株なんかは下がりっぱなし。ドルがあてにならないので、ニューヨーク金市場は最高記録を更新し続けている。デフォルトなんかにはならないんだけど、なりそうだぞというだけで日本の企業が大きな痛手を被るってのは、なんだかおかしな話ですねえ。ま、私がする話じゃないですが。

 もう一つ、頭を抱えている世界問題は、中国鉄道だ。これもまあ本来は私が悩んでもしょうがない話ではあるのだが、なにしろ近々『中国鉄道大全』という本を出版する予定でいて、今まさにその中国高速鉄道の記事を読み、レイアウトしてと、制作の真っ最中なので、非常に暗い気分なのだ。

 中国の高速鉄道の事故は、世間でも「やっぱり起きたか」という気分で受けとめられているようだ。北京〜上海の高速鉄道が華々しく開業し、中国が高速鉄道の特許申請をしたことが苦々しく報道されていたことから、やがては大事故が起きうる危険性が指摘されていた。

 私はこの本を作るまで中国鉄道のことなど何も知らなかったが、ゲラで記事を読んで、中国の無理な鉄道政策によるひずみが随所にあり、そのような状態で鉄道運営がうまくいくのか危惧されていることを知った。まさに、その通りのことが起こってしまったわけだ。無理もないことだが、この事故のせいで、日本からの鉄道ツアーはキャンセルが相次いでいるらしい。次に事故が起きたら完全にアウトだ。

 ここで思い出すのは、うちが取り上げるところでは大事件が起きるというジンクスだ。ポルトガルは取り上げる前から悪くはなっていないと思うので、このジンクスからは免れたと思うが、はたして中国鉄道はどうなる?