再びダッカから

 ダッカからチッタゴンへ行き、再びダッカへ戻ってきた。ダッカに入ると、車の騒音と空気の悪さに辟易する。明日はダッカを離れてバスでクルナへ向かう。ダッカとクルナは距離にすると200キロ程度しかないが、最低8時間、下手をすると12時間以上かかる。

いったい、200キロ走るのになんでこんなに時間がかかるのかというと、途中に川があって、橋がないからである。幹線道路に架橋してないので、川をフェリーボートで渡らなければならないのだ。もちろんいくらフェリーボートといっても川を渡るだけだから、船が出てしまえば10分かそこらで渡ってしまう。にもかかわらず、数時間もの時間がかかるのは、ものすごい数の車が川を渡る順番を待つからだ。それに何時間も費やされる。

 つまり、バングラデシュダッカに限らず、国土全体で渋滞状態を引き起こしているといえる。いまどき幹線道路に橋がない国などアジアにもあまりないと思うが、数十年前までは渡し舟でのんびり渡っていてもたいした問題はなかったのだろう。だが、これほど車が多くなると、一度に10台程度しか運搬できないフェリーではとても追いつかない。この状態は最近になって起こったわけではなく、少なくとも12年前だって問題になっていた。もちろん橋はあちこちで建設されたし、今も建築中だが、それでもまだまだ不足しているのだ。

 今日は、ダッカの路地裏を少し散歩してみた。そこでは10階建てはあろうかという大きなマンションが建築中だった。それに伴って、路地の下水管を大きなものに取り替えるために道路を掘り下げていた。日本だったらシャベルカーなどでどしどし掘り返してしまうが、ここではまだ重機を使わずに手作業である。スコップや鍬で穴を掘り、土をザルに入れ、それを頭に載せて運び出す。インドで同じような作業風景を見て、インドじゃまだこんなことをやっているのだと思ったのが27年前のことだった。この業界では時間が止まったままのようだ。

 ダッカを離れると更新できない日が続くと思いますが、ご了承ください。それではまた。