よく知らない映画

 最近ケーブルテレビで録画してあった映画を観ている。録るばかりで観るヒマもなく、どんどん蓄積されていた映画を、うちにやってきた友人どもがバカにしていたが、ようやくそれらをぼちぼち観るようになった。

 ケーブルテレビで放送される映画には、まったく知らない映画が多い。もともと僕は映画のことに詳しくないし、知っている映画といえば若い頃に観た映画か、テレビでよく宣伝するハリウッド映画ぐらいのものなので、ケーブルの番組表を見渡しても知らない映画ばかりだ。

 テレビで放送されるのはアメリカ、ヨーロッパ、日本の映画が断然多いが、僕はヨーロッパの映画をほとんど知らない。イギリス、フランスの映画なら多少は観たことがあるが、それ以外の国の映画はほとんど知らない。タイトルを見てもどのような映画なのか想像もつかず、ついでにいえば全然おもしろそうにも思えない。

 例えば「キッチン・ストーリー」という映画がある。ノルウェースウェーデンの映画だが、このタイトルを見て、おもしろそうだなと思えます? 台所で料理を作って、その料理を食べながら愛を語る夫婦の話? というような貧困なイメージしか浮かばない僕には、このタイトルではパスである、はずだったが、なぜかこれを録画してあって、観ることになったのだ(なんでこの映画を録画したかといえば、それはやはりよくわからない北欧映画だったからであり、他の映画を録るついでに録画してみたのだ)。

 そしたらこれがイメージとはまったく違う変な映画でびっくりした。確かにキッチンを中心にして繰り広げられるドラマなのだが、設定がヘンなのだ。時代は1950年代。スウェーデンでは、独身男性が台所でどう行動するかのパターン調査が実際に行われたらしいが、それをヒントに、調査員が独身男の台所に乗り込んで、男の行動パターンを調査するというストーリーなのだ。変な映画である。そしてこれがほのぼのとおもしろいのだ。

 次に観たのが「24時間4万回の奇跡」という映画。これもタイトルだけ見たのではさっぱり意味不明である。ベルギー、フランス、スイスの合作だ。これがなんと24時間にドアを何回開け閉めできるかを競うという実にくだらない競技に挑む家族の物語なのである。あまりのばかばかしさにあきれつつ観ていると、これがまた意外にもじんわりとおもしろくなってきて、最後はせつなさが漂う仕上がり。タイトルではまったく予想がつかない。何が奇跡なんだかはよくわからなかったが。

 最後に極め付きのアホタイトル映画がある。「マーサの幸せレシピ」。う〜む、これは絶対おもしろくなさそうだ。ドイツ映画だが、こんなタイトルを誰がつけた。ドイツ語のタイトルは「BELLA MARTHA」。たぶんこれはベラ・マーサという女性の名前だろう。これでもおもしろいのかおもしろくないのかさっぱりわからない。それでどうだったのかというと、まだ観ていない。観たらまたご報告します。

キッチン・ストーリー
エスピーオー (2004/11/05)
売り上げランキング: 20066

24時間4万回の奇跡
24時間4万回の奇跡
posted with amazlet on 07.05.02
ジェネオン エンタテインメント (2002/07/25)
売り上げランキング: 107085


追記:連休中に「マーサの幸せレシピ」を観ました。えー、タイトル通りの映画でした。といっても、ものすごくつまらないということはなく、ほのぼのとした気分になりたい方には悪くない(かもしれない)。まあ、普通の家庭愛ドラマといったところ。主人公の女性がシェフというのがちょっと珍しい設定というぐらいかな。