ロンリー・プラネット創業者夫妻の記者会見

 ロンリー・プラネットの『インド日本語版』のことを下で書いたが、実は今日、あのトニー・ウィラーとモーリーン・ウィラー夫妻が来日し記者会見を行った。それに招かれてちょっと行ってきたところだ。会場には日本語版の最新刊である『オーストラリア』が配られたが、この刊行で日本語版は14冊目、刊行1周年となり、そのプロモーションのための来日だったようだ。

 海外旅行業界でウィラー夫妻を知らない人はまずいないと思っていたが、会見に先立って版元であるメディアファクトリーの社長から挨拶があり、「ロンリープラネットのことをご存じない方もいらっしゃると思いますが」と切り出されて驚いた。まだ日本人旅行関係者のロンリープラネットに対する認知度って、「知らない人がいても当然」という程度なのだろうか。

 トニー・ウィラーの話は、今後の旅行業界は何がトレンドになるのかといった、いかにも業界向けの話で、個人旅行者はますます増えていくだろうとか、特に中国人、インド人、ロシア人旅行者が増加するだろうといった話だった(つまり貿易と同じなんですね)。彼は、自転車やカヌーといったアウトドア系アドベンチャー旅行が、特に中高年に伸びていくだろう予測しているようだ。

 社長のトニーさんはこういう業界話をしなくちゃならないんだろうが、むしろおもしろかったのは妻のモーリーンの話で、いつトニーと出会い、一緒に旅をし、どうやってロンリープラネットを設立したかを、プライベートな写真まで見せて説明してくれた。出会ったばかりの二人の熱々の写真がどーんと映し出されたのには驚きました(モーリーンさんは本当にチャーミングな女性だった。今もそうですけど)。

 で、懇談会になって、モーリーンさんが近くに来たので、ちょっと話をしたのだが、僕が、ロンリープラネットのガイドブックのお世話になって旅行して、自分もガイドブックを制作するようになったのだというようなことを説明し、今はSARSやらテロやらで難しい時期になっているというと、彼女も急いでうなずき、ロンリープラネットも、確かに去年は売り上げがダウンして苦しかった。9・11からその傾向が続いていたけれど、今年から持ち直している。もうちょっとの辛抱よ、と励まされてしまった。

 聞けば、モーリーンさんは1年のうち4カ月旅行し、8カ月働き、トニーさんは半年旅行し、半年働いているんだとか。いいですねえというと、彼女はにっこりしていった。「楽しい生活よ」。ホントにうらやましいです〜。