スティーブン・J・グールド氏死去

 カンブリア紀に爆発するように生まれ出た奇妙な生物について描いた『ワンダフル・ライフ』の著者スティーブン・J・グールドが死去した。

 NHKでもやったのでご記憶の方もいると思うが、カナダのバージェス頁岩から発掘された化石から次々と発見された奇妙な動物たち、アノマロカリスやハルキゲニアといった生き物の姿は実に興味深いものだった。一時期、アノマロカリスのぬいぐるみまで出るほどブレークしたのには驚いたけど。

 スティーブン・J・グールドは、この『ワンダフル・ライフ〜バージェス頁岩と生物進化の物語』(早川文庫/940円)の他にも『パンダの親指』など、自然や動物について不思議でおもしろいエッセイを数多く残した科学者だった。ファンだったイトヒロから教えてもらって何冊か読んだのだが、特に『ワンダフル・ライフ』は僕にとって衝撃的だった。今後も、多くのエッセイ集を出してくれると思っていたのに、わずか60歳で死去するとはいかにも惜しまれる。ご冥福をお祈りする。

ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語 (ハヤカワ文庫NF)