ルンバ!

 先日の報道で、福島原発の内部を掃除するのに、アメリカのiRobot社のロボットが使用され、それに日本製の掃除機を付けたという。iRobot社といえば、まさに自動掃除機ルンバで有名な会社なのに、日本製の掃除機を付けたとは皮肉な話だ。ルンバで掃除できればおもしろかったんだけどな。

 ところで、この自動掃除機ルンバをご存知の方は多いだろう。ウィキによればこれが登場したのは2002年で、2006年までに200万台が売れたというから、かなりのヒット商品だったのだ。これが話題になったとき、正直いって、私はかなりバカにしていました。あんなもので隅々まできちんと掃除できるわけがない、オモチャみたいなもんだろうと思ったのだ。

 だが、それは3カ月ほど前のことだった。友人の建築家Wさんの家にお邪魔したところ、このルンバがあったのだ。ルンバを見つけた私に、Wさんは「これはいいですよ。掃除が好きじゃないならおすすめです」というではないか。建築家がルンバをすすめるとは思わなかったので、驚いてネットで使用している人の感想をいろいろ見てみると、これがけっこう好評なのだ。実に意外だった。だからこそ発売して4年間で200万台も売れたのだろうが。

 そこで、私も購入を決意した。だが、問題は価格が実に高いことである。ルンバには6種類あるが、最も安いもので48,800円、高いのは79,800円もするのだ。高いので有名なダイソンの掃除機並みである。これで使い物にならないと家庭の危機だ。ネットでいろいろ検索しているうちに、ヤフオクで売っているのを発見した。これが驚くほど安い。なんと30,000円もしない。なんでこんなに違うのか?

 オークションで安く売っているのは、アメリカからの輸入品であるという。輸入業者が、それに日本で使えるように改造し、マニュアルを日本語訳して売っているのだ。もともと製造会社はアメリカだから偽物を売っているわけではなく、本物なのに安いのだ。しかし、日本で8万円近くするものが半額以下で買えるものなのか。試しにアメリカ・アマゾンを見てみると、下は160ドルから、上は550ドル程度の価格である。今のレートだと13,000〜44,000円というところ。やはり日本の正規ディーラーの価格はほぼ2倍だ。
http://www.amazon.com/s/ref=nb_sb_noss?url=search-alias%3Daps&field-keywords=iRobot&x=0&y=0
http://store.irobot-jp.com/

 というわけで、私はヤフオクで29,000円で落札した。アメリカで300ドル(24,000円)ぐらいで売られているものだ。さっそく使用する。ご存知の方も多いと思うが、こんな感じで動きまわる。
(動画は私の家ではなくYouTubeにあったものです)

 階段でも落ちません。

 猫にも人気があるようです。

 2カ月ほど使用した私の感想を述べると、すばらしい。実にすばらしい。想像通り、隅は掃除できないという欠点はあるが、私が掃除機で掃除をしたところで、隅がよく掃除されないという点はあまり変わらないのだ。隅のホコリまできれいにするには、どっちみち掃除機ではダメで、雑巾で拭き取るしかない。さらに階段の掃除はできないというのも残念な点だが、さすがにそこまで望むのは酷というものであろう。

 私のように、掃除は嫌いだが、しないわけにはいかないという人間にとって、このルンバは大いなる救世主である。ルンバを動かす前に、通り道を空けるために、床に散らばったものを片づけて、イスやテーブルをどかす必要がある。そこまでやったら、あとは自分で掃除機をかけても同じじゃないかと言われるが、とんでもありません。皆さんもご存知だとは思うが、掃除機をかけるのはたいしたことじゃないわりに、夏は汗が出てきて、掃除が終わる頃には汗まみれになる。おまけに私にとっては腰痛を引き起こす。それを機械がやってくれるんなら大助かりだ。

 会社に出る直前にルンバのスイッチを入れて外出する。帰宅すると、床はすっかりきれいになっている。実に気分がいいですねえ。掃除が嫌いではなく、毎日きちんとお掃除してます、という人にはおすすめしませんが、掃除は嫌い、なのでよくさぼる、それで床がざらざらしてて気分が悪い、という私のような方には、心からおすすめします。アメリカ製で十分だと思うが、日本の正規ディーラーのサイトを見ると、並行輸入品は故障しても保証しませんと書かれている。でも、バッテリーやフィルターなんかの消耗品も2倍の値段なんだよなあ、ここは。