中古本の謎


 新刊を出すたびに不思議に思うことがある。謎だ。何でこういうことが起きるのか、訳を知っている人がいたら教えて欲しい。


 新刊を出す。すると即、アマゾンで中古本が出まわるのだ。ここを見て欲しい。なんと発売日前なのに、早くも私の『シベリア鉄道9300キロ』の古本が出ている。

http://www.amazon.co.jp/gp/offer-listing/494770263X/ref=dp_olp_2?ie=UTF8&qid=1216893021&sr=8-1


 今回が初めてのことではない。つねにそうだというわけではないが、新刊がアマゾンにアップされると、ほとんど同時にこうやって中古になって出てくる。実におかしな話ではないか。まだこの本は発売日前で、早いところだと今日書店に出たばかりなのだ。それを間髪入れずにアマゾンの中古に出すなんてことは常識的には考えられない。少なくとも、書店できちんと正価で購入した人間が、安くして出品するなんてことがあるだろうか。





 もし、今日購入したとしたら、読む時間さえなかっただろう。だって朝一番に書店で購入しても、今日の昼にはもうアマゾンに出品されているのだから、タイムラグを考えれば、まったく読んでいないとしか考えられない。そんな本を、わざわざ定価より安く販売するということも考えられない。だとしたら、いったい誰が、どういう経路でこういう新刊を入手して売っているのだろうか。


 僕は別に自分の本が中古で安く売っていることに腹を立てているわけではない。ただ、こういう売り方は怪しいではないか。普通の入手方法ではない、特別ルートがあるような気がして、不正な商売である感じがするのが気に入らないのだ。もし、この出品者がこれを読み、きちんと正規に購入して販売しているのだというのなら、なぜこんなに早くアマゾンに出品できるのかを教えてもらえないだろうか。