デジタルテレビになった

 高速道路の料金が1000円になったおかげで、渋滞がすごかったとテレビのニュースがいっていたが、車で帰省なさった方々お疲れ様でした。渋滞がひどくなると、かえって二酸化炭素の排出量が増えるらしいが、民主党政権になった暁には高速道路を無料にするらしいので、今後も二酸化炭素の排出量は増え続けることだろう。これがハイブリッドカーだと渋滞の場合はエンジンを停止し、電気モーターで駆動するので、二酸化炭素はあまり排出しない。高速道路を無料にして二酸化炭素の排出を増加させないためには、ハイブリッドカーや電気自動車がある程度普及しないとダメなんじゃないか。

 それはともかく、渋滞の中に飛び込むのは嫌なので、私はお盆の最中に車に乗ることはない。車に乗るどころか、練馬から出ることもない。家にいるか、事務所で仕事をしている。今年のお盆は、1日だけ出社して仕事をしただけだ。だから書くこともあまりないんだけど、小川が書いているように、このところうちの家電製品が相次いで故障し(パン焼き器は小川のミスだったけど)、17年間使用したテレビが真っ赤になった。すると、緑の植物が全部茶色になって枯れたように見えるのに閉口し、ついに我が家でもデジタルテレビに買い替えた。

 デジタルになった画面を見ていると、確かにハイビジョン放送はきれいだなと思うが、ケーブルテレビの映画放送なんかはハイビジョンでないのがまだ多い。デジタル地上波の民放放送は、あんまりきれいに見えない方がいいのではないかと思えるようなワイドショーはハイビジョンになっているが、広告はアナログ映像みたいな粗い画像のものが多い。つまり、デジタルテレビに買い替えろ買い替えろとうるさい割りには、放送のデジタル化はまだ十分に進んではいないじゃないか。

 テレビ放送のデジタル化は日本だけではないらしいが、いったいこんなことを誰がやり始め、誰が推進することに決め、何の役に立つのだろうか。画像がきれいに見えるというだけなら、少なくとも私はテレビなど買い替えたりはしない。アナログのままで十分だ、というか、アナログの画像しか知らないうちは、それで文句などあるわけない。アナログテレビが壊れたら、次はもうデジタルしか選択肢がないから、仕方なくそうしただけのことで。

 だが、誰が得をするかは、買い替えてみて理解できた。少なくともこの方式なら、NHKが料金をとりっぱぐれることはない。新しいテレビはカードを差し込まないと映らないようにできていて、カードを差し込めば自動的にNHKの料金を支払うように設定されるからだ。つまり、有料チャンネルが作りやすいというのが、このデジタルテレビの最大の特徴ってことだな。今後は金を払わないとテレビは見られなくなっていくのだろう。そういうシステムはデジタル化しないとできない。このカード会社は民間企業だというからあきれた話だ。なんで民間会社がこういう公共事業を一社で独占できるのだ。

 そんでもって、いざテレビをつけてみると、まあチャンネルが多いというか、操作が複雑怪奇というか、ただテレビを見るだけにリモコンが2台、地デジボタン、BSボタン、CATVボタンなど3種類もボタンがあって、そこからさらに目指すチャンネルを探し当てなくてはならない。もちろんこれは慣れの問題であり、ケーブルテレビの多チャンネルも、自分が見ないチャンネルはやがて淘汰されていく。たくさんあるようでいて、実はそのほとんどは見はしないのだ。近親者の近所では、デジタルテレビを買った老人の家に、電気屋がテレビをセッティングしに来て、NHKNHK-BSの受信料契約まで結ばせていったという。あの複雑怪奇なリモコン操作をして、80を過ぎた老人がBS放送など絶対に見ないだろう。なのに、こうやって受信料だけは徴収されていくのだ。

 しかし、今の若者はテレビをあまり見なくなっているらしい。ケータイのユーチューブで音楽を聴いたり、漫才を見たりしているらしい。どこまでホントの話かはわからないが、少なくとも若い人たちが前の世代よりテレビを見なくなっているのは事実だろう。そうすると、金を払わないと見られなくなるというのでは、ますますテレビ離れが進んでいくのじゃないのか。私だって、金を払ってまで見たいと思うようなテレビ番組などほとんどない。年を取ったせいかもしれないが、NHKでニュースを見られれば十分だと思ったりもする。NHKだって見たくもない番組が多いから、受信料なんか払いたくない。だったらニュースはネットで見て、テレビはいらないという人が増えても少しも不思議じゃないわけだ。そういう意味では、デジタル化で有料化が進むとすれば、それはテレビ業界の曲がり角になるだろう。広告収入が減ってテレビ業界も大変らしいが、考えてみればテレビ業界のバブル状態が長すぎたのだと考えるのが妥当なところかな。