数の子は世界の奇食?

 NHKの『クール・ジャパン』(6月10日)という番組を見ていたら、寿司の特集だった。寿司が海外では高級料理であることは知られている。そのなかで数の子を取り上げたのだが、驚いたのは、魚の卵はほとんどの国で食べられずに捨てられているということだった。番組に出演したのは、ロシア、アメリカ、フランス、イタリア、中国、モロッコ、メキシコの人々だが、皆魚の卵は食べないという。

 日本の数の子はすでに希少高級で100グラム2000円するらしい。とうぜん回転寿司のネタには使えない。なのに、回転寿司で一皿100円で出てくるのはなぜか? 皆さんご存知でした? なんと海外では捨てられている数の子を安く仕入れてくるからだという。番組で紹介されたのはデンマーク製の数の子だが(デンマークでは国民食的にニシンを食べるが、その卵の数の子は捨てられていた)、粒がばらばらになった数の子を大量に輸入し、いわゆる数の子型にもう一度固めて寿司ネタにしているんだそうな。

 しかし、日本人以外の人は魚の卵を食べないという話は本当だろうか。例えばキャビアチョウザメの卵だが、ロシアを含むヨーロッパ人も喜んで食っているではないか。カラスミだって魚の卵だが、欧米人も食べているだろう。イギリスじゃスーパーで数の子だって売っているとブログにあった。http://ameblo.jp/chambredegomachan/entry-11159241852.html

 とはいえ、高級なキャビアカラスミを除けば一般的にはあまり食べないということなのかもしれない。

 昔は数の子は高級品の代名詞だったが、最近はずいぶん安くなった、ということは私もわかっていた。それは単純に中国産とか安く輸入しているせいだろうと思っていたが、なんでも食べる中国人でも魚の卵なんて食べないとはねえ(中国では魚の卵を食べるとバカになるといわれているらしい)。