インターナショナルな買い物

 先日のこと、私は価格ドットコムで、プロジェクターについてのクチコミを読んでいた。エプソンのプロジェクター「dreamio EH-TW3600」は評判がよかったが、書き込みによればこのプロジェクターはアメリカで買うと非常に安いという。価格ドットコムの売値は約19〜25万円とある。

 しかし、アメリカで売っているものを日本で使えるのか。書き込みによれば、現在ではコストダウンのためにアメリカ仕様、日本仕様と作り分けたりせずに、どこでも使えるものを生産しているらしい。異なるのは名前だけというのである。

 それで試しにアメリカ・アマゾンで値段を調べてみた。アメリカでは「PowerLite Home Cinema 8350」という名前で売られている。すぐに出てきた。すると価格のところに「$1764.36」とあり、その上に線が引かれている。そしてその下に、「カート内の料金を見よ」と書いてある。そこをクリックすると、1109ドルと出てくる。1ドル78円で換算すると、なんと86500円! メチャクチャ安い。

 そこにはこの価格とともに、次のような表示があった。
──アマゾンの価格は、メーカー希望小売価格より低くなるので、カートに入れるまでメーカーは価格を表示することを許可していません。

 他のものはだいたい価格が表示してあるのに、このプロジェクターだけは安すぎて価格を表示できないのだ。しかし、エプソンで25万円で販売されていた同じものが、なんでアメリカで86500円で売れるのか。もし1ドルが100円だったとしても11万円で半額以下だ。

 読者もご存知だとは思うが、ほとんど同じ日本製品なのに、日本とアメリカで値段が異なるものは多い。もちろんアメリカの方が安い。車もそうだ。今度発売になったトヨタのカムリは、ハイブリッドが25900〜27400ドル(2020200〜2137200円)とだいたい200万円ちょっと。日本での販売価格は、3040000〜3800000円と100万円も高い。もちろんこれはトヨタだけのことではない。

 車は並行輸入すると高くなるし、そのうえハンドルの位置も異なるのでアメリカ版は買いにくいが、プロジェクターぐらいだったらアメリカ製でぜんぜんOKだ。それにブルーレイなんかも5000〜6000円するような日本製アニメが20ドルしないので、アメリカ・アマゾンでぽちっとクリックしてみると、あらあら、北アメリカ大陸以外に発送はしないんですね。つまり、日本から直接買うことはできないんである。ああ、残念でした。なんでアメリカだと日本のアニメが1600円で売れるわけ?

 そこで、グーグルで「アメリカのアマゾンで買う方法」と打って検索してみると、おおおお、そういうことを代行する業者があるんですねえ。そりゃそうだよな。同じものがこんなに安く買えるんだったら、誰だってここから買おうとするよ。私はこれ以上試していないので、どのような結果になるかはわからない。だが、インターネットが発達すると、こういうことがどしどしと起こってくるのだなあと実感しました。