『漂流するトルコ』9月5日発売!

 『アメリカ鉄道大全』に続き、うちとしては異例の早さで次の新刊『漂流するトルコ 続「トルコのもう一つの顔」』(小島剛一著)がリリースされる。9月5日発売。こんなに早く出版できるのは、図版がほとんどなくテキストだけの普通の本であることと、著者が校正を素早くやってくださったおかげである。普通の著者の5倍ぐらいのスピードで著者校が終了した。最初の予定より発売日が繰り上がるという旅行人始まって以来の快挙となった。

 本紙の連載をお読みになった読者は、内容がどういうものかすでにご存じのことと思うが、連載終了の話から、さらに新たな展開があり、あれがああなって、これがこうなって、なんと、それがそうなるか! というすごい話になってしまうのだが、それはぜひ本書をお読みいただきたい。※内容の紹介などについては、近日中にサイトに予約受付とともにアップされます。

 表紙のデザインは、このようになりましたので、ご覧下さい。

 暗くてぼんやりしているのでわかりづらいと思うが、これはイスタンブールトプカプ宮殿である(と思う)。私が12年ぐらい前に撮影した写真を、さらに暗くして色を調整したものだ(彩度を落とした)。トプカプ宮殿があまり鮮明に出すぎると、イスタンブールの観光写真になってしまうので、トルコを連想させるイスラム建築で、しかし観光写真にならないように、こういう処理をした。

 文字の入れ方は、大きめで、ごく普通である。実は、タイトル文字にはぼかしが入れてあるが、よく見ないと気づかないかもしれない。著者名は普通より大きくした。この本は、なんといっても『トルコのもう一つの顔』の著者である小島剛一氏の新刊である! もちろんあの本の続刊なのだ! ということを力強くアピールしたかったからだ。意図としてはひねりもなく極めて単純です。

 著者には2つのデザインを示して選んでいただいた。小島氏の意見で上のデザインが採用されたのだが、私としてもこっちのほうがいいかなとは思っていた。不採用になったデザインは下。トルコを表すのに国旗を使うというのは、あまりほめられたものではないが、一応「漂流しているトルコ」を表したかったわけだ。

 この国旗がグニャグニャしている図案は、ネットでトルコ国旗を引っ張り出してプリントアウトし、それを何回か折り曲げてグニャグニャにしてデジカメで撮影したものだ。これが加工の過程。

(1)折り曲げた国旗の写真を左上に載せて、国旗の月と星を真っ白に塗りつぶす
(2)その上に、エアブラシでシャドウを描く
(3)下に赤地を敷く
(4)上にタイトルをのせて出来あがり

 最終的にはボツになったし、特に優れたデザインってわけでもないんだけど、こういう手間はなかなかおもしろいですね。

 それでは、9月5日の発売ですので、皆さんどうぞよろしくお願いします。