『西原理恵子の人生画力対決1』に大笑い

 先日ようやく『熱帯雨林を歩く』(上島善之)を印刷所に入れる。4月10日の発売日はなんとか守れそうだ。2700円(税込2835円)とちょっと高いのだが、熱帯雨林に興味がある方はよろしくお願いします。校正の直しがぎりぎりになって、データを取りに来た印刷所担当を待たせて、データをコピーしようとすると、示された所要時間が1時間。数ギガあるデータなので、うちのコンピューターだとそれぐらいかかってしまうのだ。1時間も待たせるわけにはいかないので、コピーをやめて、データが入っている外付ハードディスクを取り外し、それごと渡す。こんな入稿は初めてです。

 さて、『西原理恵子人生画力対決1』を読んで、久しぶりに大笑いした。相田さんに貸してもらったのだが、西原理恵子パワー、おそるべしである。この漫画は、西原理恵子と他の漫画家が、提出されたテーマを、記憶を頼りに描いて、そのうまさで勝負するという対決を描いたものなのである。例えば、テーマが「国会議事堂」だったら、何も見ないで国会議事堂を描き、どっちがうまいかを競うという非常に単純な勝負なのだが、何がすごいって西原さんと対決する漫画家が、ちばてつや藤子不二雄(A)、江口寿史やなせたかしなどなど、超大物なのだ(大物じゃない漫画家も登場するが)。

 大物漫画家との対決はめちゃくちゃおもしろい。ちばてつやは「漫画界のヨハネ・パウロ」と呼ばれるが、これはおそらく、ちばてつやの人柄によるものだろうが(ちばてつやは温厚な人柄で有名)、こういう方に、あしたのジョーを描け! あんぱんまんを描け! などと西原理恵子が叫び、ちばてつやがいそいそと描くんである。ちばてつやも、他の漫画作品のキャラクターなどを描かせると、意外に似てなかったりして、西原理恵子に苦戦するところがなかなかいい。あんぱんまんの作者やなせたかしも勝負に登場する。やなせたかしぐらいになると、「本宮ひろ志は描けん(絵が下手)」などと平気でいうところがまたすごい。

 もちろん、最も恐れ知らずの発言者は西原理恵子である。江口寿史に「あんた今何やって食ってんの?」って聞くんだからねえ。誰もが思っていてもできない質問ですよね、それは。西原理恵子えらい! 私は布団の中に持ち込んで読み始めたが、ページが少ないのであっという間に読み終わり、あまりのおかしさに2度繰り返して読んでしまった。これがシリーズ1なのがうれしい。続刊が実に待ち遠しい。手塚治虫石森章太郎西原理恵子と対決したらおもしろかっただろうなあ。大物漫画家たちの懐の深さにも感動するぞ。