もうすぐ入稿する『熱帯雨林を歩く』

 本日の夕方には印刷所に入稿する次の新刊『熱帯雨林を歩く』(上島善之/4月10日発売)の、最終チェックを今やっている。これまで4人で数回読み直しているのに、それでも最後まで誤植が見つかるのは何故なのかわからないが、岩壁が岸壁になっていたりするから不思議だ。いわゆる「てにをは」の修正は数限りない。

 他の出版社ではもう少し余裕のある日程で製作していると思うが、うちの場合、いつも入稿寸前まで読み込んで校正する。最後まで小さな間違いや訂正などがあったりするので、入稿のときはいつも不安だが、そうすることで少なくとも大きな間違いだけは避けようとしているのだ。だから、著者校なんかとっくに終わっているのに、入稿寸前まで著者に電話やメールで、これはどうなっているだの、あそこはこうしていいかだの、疑問や提案を出し続けるので、著者は不安に思うかもしれない。

 それはともかく、カバーデザインはこういう感じになりましたので、ご覧下さい。今回は熱帯雨林がテーマなので、本全体が緑づくし。帯も見返しもみんな緑色です。

 この本の特色は、世界の熱帯雨林の様子が一望できるという点にある。私もこの本を読むまで、中南米やアフリカの熱帯雨林の中に足を踏み入れることができるとは考えていなかったが、著者の上島さんによれば、本書を執筆し始めた当時は、ほとんど観光客がいなかったアマゾンのジャングルにも、ここ数年のうちにぐっと観光客が増加し、ツアーなどもできているそうだ。ネットで地図などを検索すると、前はなかったのに、今はけっこう出てくるようになったそうである。

 ご存じのことと思うが、こういった熱帯雨林も年々減少しつつあり、最初に熱帯林の分布図を作成して、その校正のために最新の分布図をあらためて用意したところ、ブラジルの熱帯雨林が劇的に減少していたのには衝撃を受けた。もしかしたら、10年後には本書に出てくる熱帯雨林も消滅しているかもしれない。