年末年始を静かに過ごすための映像

  どうやら今年も終わりそうです。皆様はいかがお過ごしですか。今日は異常に寒くて、北海道や東北地方は猛烈な雪のようで。事務所もなんだか寒いです。

  先日、Youtubeでひょんなことから不思議な映像を見かけた。こういう映像です。


  いったいこの摩訶不思議な映像は何なのだろうか。不思議に思いながら眺めていると、相田さんがこの作家のサイトを探し当ててくれた。グレゴリー・コルベールという写真家なんだそうだ。

http://www.ashesandsnow.org/jp/

  私はこの映像を見るまで知らなかったが、ウィキによれば、1992年、スイスのエリゼ美術館で初の個展を開催し、世界的に高い評価を得た写真家だとのこと。その後10年間作品を発表せず、世界各地を旅して歩き、その成果を2002年「Ashes and Snow」として発表する。それがこのYoutubeで出てくる映像なのですね。世界中で絶賛されたらしい。

  実は日本でも2007年に個展が開催されたそうなので、ご存じの方もいらっしゃることと思う。私もそのポスターを見て、そういえば、伏せているゾウの鼻先で少年が本を読んで座っている写真は見たことがあり、ああ、これがグレゴリー・コルベールさんだったのかと思い当たりました。

  で、今更ではあるが、この人の作品を見たくなり、「Ashes and Snow」がDVDで発売されているというので注文した。紀伊國屋と嶋田書店だけでの販売らしい。6800円と高めだが、ハリウッド映画ではないのでしょうがない。

  送られてきたDVDのパッケージを見てびっくり。こんな感じです。

  なんだかTVゲーム「ミスト」のような世界というか、100年ぐらい前の海賊から送られてきたような気分になるデザインである。がさがさの和紙のような紙に、ヒモでくくられている。もしかしたらなかはDVDディスクじゃなくて古いフィルムなんじゃないか? てことはむろんなく、そっけないデザインのディスクだった。どうぜならひび割れの入ったデザインにでもして欲しかった。

  中の映像はYoutubeと同じだが、長さが60分ほどある。撮影場所は推測だが、ビルマスリランカ、エジプト、ナミビアあたりでしょう。ヒョウと人間がべたっとくっついてぼーっとしているところが出てくるのだが、人慣れして芸を仕込んだヒョウなんてのがいるのだろうか。不思議な映像である。

  この「Ashes and Snow」は一種の叙情的な映像で、いろいろな点で作り込んである。自然をそのまま撮影したものではない。バックグラウンドムービーというような感じといえばいいか。耽美的な映像はひとときこの悲惨な現実から解き放たれたような気分にさせてくれる。

  日本語版は渡辺謙のナレーションが入っているが、これはまああってもなくてもいいというか、ないほうがいいというか、ボリュームを絞って(どっちみち動物の鳴き声などは入っていないので)、自分の好きな静かめのアンビエント系音楽をバックに流してご覧になることをおすすめします。静かな年末年始を過ごすにうってつけだが、今から注文しても年末には間に合わないですね、すいません。

  それでは、今年も当欄をお読みいただきありがとうございました。来年もよろしくお願いします。よい年をお迎え下さいますように。