制作ほぼ終了


 あー、先日から何度も書いている私の新刊『シベリア鉄道9300キロ』だが、さきほど印刷所にすべてのデータを渡し終えて、制作はほぼ終了した。疲れました。あとは月曜日に色校をやればすべて終了する。さっき書店用の注文書をつくったので、これからそれを業者にファクスしてもらって注文を取る。見本は15日にできるので、書店からくる注文票と見本の本を持って取り次ぎに行き、配本数が決定することになる。書店営業にも出なくてはならない。やることがたくさんあるんだよなあ。


 お見せするほどのものでもないんですけど、一応これが注文書です。


 あとでよく考えたら、『シベリア鉄道9300キロ』というタイトルなんだけど、シベリア鉄道の分は9300キロなんだが、それはウラジオストクからモスクワまでの距離で、そのあとモスクワからヘルシンキまで鉄道で移動しているので、合わせると10000キロぐらいあるのだった。しかし、そこはもうシベリア鉄道ではないので、10000キロという数字は使えないのだ。まあ、数字などはどうでもいいことなんだが。


 今朝の新聞を見たら、ロシアの新しい大統領メドべージェフが、北方領土には交渉の余地があるといったとか。でも、早急には事が運ばないぞと念を押している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080703-00000036-jij-int


 でも、ロシアにとって、日本に領土を返還するメリットって何があるのだろうか。一昔前なら経済援助もあり得ただろうが、今や日本のほうがロシアに援助して欲しいぐらいのもので、ロシアはそんなことなど期待してないだろう。タダで返すわけがないので、何かロシアにメリットがなければならないんだが、素人の僕にはそういう理由がわからない。どう考えても返還なんかするわけがないと思うんだけど。


 だが、現実はどんどん動いているのかもしれない。ロシアにメリットがなければ領土を返還することあり得ないのは当然だが、やはりあるのだ。もう少し大きな枠組みの中で。例えば、シベリア鉄道どころか、今やロシアとアラスカの間にあるベーリング海峡にトンネルを開通させ、ユーラシア大陸アメリカ大陸を鉄道でつなぐ構想があるというから驚きだ。その記事は田中宇(たなか・さかい)さんのサイトに書かれている。

「ユーラシア鉄道新時代」
http://www.tanakanews.com/070515railway.htm


 これまでたちおくれていた極東ロシアを活性化させるのがロシアの狙いで、シベリア鉄道とアラスカがつながると、物流の面から世界が変わる可能性がある。そのためには、極東の安定化が欠かせないし、日本との北方領土問題も解決しなければならないというわけである。けっこうな話ではないか。ヨーロッパから延々と南米の南端まで列車で旅できる日がやってくるかもしれない。そうなったらすごいよなあ。