私のミシュラン

 掲示板のトラブルで書き込みできなくなっている方が多いと思いますが、ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。システムが古くて、なかなか対策が立てにくい状況ですが、サイトそのものの一新を含めて、新しいシステムへの改変も考えています。もう少し、お待ち下さい。よろしくお願いします。

 さて、あっという間に1週間が過ぎて、当欄を更新しなければならないのだが、ホントにあっという間だね、1週間というのは。本誌を季刊から年2回刊にしたからいうわけではないが、定期購読している月刊雑誌なんかは次々に送られてきて、ろくに読まない前に次号が届いている。月刊誌でもこうだから週刊誌には手が出せない。世間では毎週放送されているテレビ番組も、うちでは3日に1回放送されている、気がするほどだ(テレビはCM回避のために録画してから見るので、下手するといつの間にか録り貯められた分を毎日見たりもする)。

 前回ミシュランのことを書いたが、その直後に本が出たらしくて、テレビやラジオでいっせいに取り上げられていた。朝日新聞では、記者がわざわざ★3つのレストランに試食体験記事を掲載したほどだが、結論が高いレストランだったというのではあまり能がないと思うけど、それはともかく、どれもこれもミシュランの大宣伝をしてくれるんだから、ミシュランは笑いが止まらないことだろう。

 それで、最近は、いやミシュランの評価の仕方に公正さが欠けるとか、やれ、もっとうまい店はあるだとか反論も出ているようだが、これもまたミシュランの宣伝をやっているようなもので、こういう記事を載せるマスコミは何だ、私もこういうことを書いて当欄でミシュランの宣伝をやってしまってアホかいな、なのである。

 それはともかく、ミシュランの評価が公正でなければならない理由など全然ない。ミシュランの社員が食ってうまかった、★3つと書いているだけである。信じるも信じないも読者次第であり、はっきりいえば占いみたいなもんだ。しょせんうまいまずいは食べた者の主観であり、客観的な評価など存在しない。

 などと、高級レストランで食事したことのない私が書いても、まったく説得力を持たない。私が言いたいのは、誰がどんな評価をしようが、その人の勝手であり、タイヤを作っているフランスの一私企業が、東京のレストランガイドを出しただけで、マスコミ挙げて何をそんなにがたがた騒ぐ必要があるのかいな、ということである。世界最大の旅行ガイドブック「ロンリープラネット」の日本版が出たときはぜんぜん騒がなかったじゃないかという業界的ひがみが入っていることは否めないが。

 僕は旅に出る前、ミシュランというのはタイヤ・メーカーだと思っていた。実際、ミシュランは世界最大のタイヤ・メーカーだそうだ。旅に出てからタイヤ・メーカーが地図を作っていることを知り(アフリカでさんざん世話になった)、ついでに旅行ガイドやレストランガイドも出していることを知った。つまり、タイヤ・メーカーとしては、地図や旅行ガイドを見てどしどし車で出かけていただき、腹が減ったらレストランにでも入ってもらってどんどん走りまわり、もっとタイヤを買ってもらいたいということなのだろう。

 まあ、私にとってミシュランは、レストランガイドではむろんなく、タイヤも買わないので、地図会社でしかないわけだが。