旅行人ならではのマイナー特集

 うちでガイドブックを出したり、特集で取り上げると、そこで事件が発生するという「旅行人のジンクス」というのがあるという話を以前書いたが(2007年01月05日「謹賀新年2007」)、ミャンマーがこのジンクス通りになってがっくりきている。もちろんこれは単なる偶然で、うちが取り上げることが多いアジアやアフリカ諸国では、こういうことが起きる確率が比較的高いということなのだろう。

 それで、問題は次の特集なのだが、なるべく問題が起こりそうもないところにしたいと思うが、とりあえずインドのグジャラート州に決定した。グジャラートで問題が起きるとすれば宗教的なトラブルだと思うが、そういう問題が起きないことを切に祈っている。

 ところで、グジャラート州といっても、インドに興味がない方には、それがどこにあるのかわからないと思うが、インドの西部、パキスタンとの国境沿いにある州である。有名なラージャスターン州の南ですね。日本人にはマイナーなところではあるが、実はかなり見どころも多く、旅行者が少ない分、いわゆる旅行者に対するインド的トラブルもほとんどないいいところなのである。ぜひお楽しみに。

 そういえば、この前、J-WAVEで毎週土曜日の夕方にやっている葉加瀬太郎さんの番組に出た。まだ放送はされていない(と思う)けど、一応録音だけは終了しており、そこでインドの話をした。われながら、たいしたインドの話はできなくて、おもしろくなかったんじゃないかと思うんだが、制作の人も、放送することになったらお知らせしますといっていたので、放送されないかもしれない。

 で、なんで、おもしろくないんじゃないのかと思ったのかというと、このようなメジャーな放送の場合、誰でも知っているようなインドの話を今さらながらしなければならないからである。私が今さらインドのバラナシはいいですねえ、とか、インドじゃトラブルが多くて大変です、とかいったっておもしろくないでしょ。しゃべる私だってそんなことを話しても盛り上がらない。

 では、何を話せば盛り上がるのだろうかというと、今度行くようなグジャラートの話とか、ヒマーチャルの山の中にある寺院の話とか、そういうんだったらおもしろいのにと思うんだけれど、そういう話は水を向ける方がもともとご存知ないし、聴く方も訳がわからないだろうから、やはりそういう話をしてくれとは頼まれない。

 結局、こういう話はうちの雑誌でしかできないというわけだ。グジャラートといえばマイナーであることは編集長である私も重々承知しているし、たぶん数多くの読者が待ち望んでいる地域でないかもしれない。だけど、まさかタージマハールの特集をうちに望む人だっていないだろうし、まあ、マイナーなところでもきっとおもしろいところなので期待してくださいね。

◆蛇足
 前に「マーサの幸せレシピ」というドイツ映画があって、アホなタイトルだとバカにしたが、最近「幸せレシピ」というアメリカ映画が封切られた。なんと「マーサの幸せレシピ」のリメイクなんですねえ。こんな映画をわざわざリメイクするぐらいなら、英語に吹き替えればいいんじゃないのと思うのは私だけだろうか