ネットで買い物

 うかうかしてると、トップページの更新欄の最下位に落ちてどんどん時間がたってしまうので、次号と単行本の同時制作中なんだけど、なんか書かなくちゃとあせってあたふたしている。

 友人に影響されて(というか世間の影響なんだろうが)、僕もたまにヤフオクで買い物をする。友人の中にはヤフオクを毎日チェックして、実にさまざまな物を安値でゲットしている人もいて、よくもそんな物をそんな値段で、あるいは、よくもそんなものがヤフオクで売っているもんだと、感心することしきりだ。

 たとえば、その友人は油圧式薪割り機なるものを破格の安値で入手した。油圧式薪割り機なんてものがあることさえ知らなかったが、それを非常に安く入手したという。あるいは、車の部品。タイヤやカーステなんかが売りに出ているというのなら驚かないが、売り手が中古の車を1台用意し、そこから取れる部品ならなんでも売っているらしい。例えば右側のドアだけとか、バンパーとかを部品として売っているのだ。それでその友人は、へこんでしまった左側前部のボディを取り替えるために、その部品だけを数千円でゲットした。ホントに何でも売っているんだな。

 私が最近手に入れたのは、桑田次郎の「8マン」の原画1枚である。8000円からスタートして、落とし値は3万円ちょっとだった。それを知った周囲の人間はあきれた声を出した。僕は、あの「8マン」の原画がその値段だったらまったく高くはないと思ったのだが、そう思わない人が多いらしい。

 この原画のために額縁をあつらえにいったら、額縁屋は物珍しそうにその原画を見て、「これってインターネットで入手なさったんですか」という。そうですよ、と答えると、いくらでしたかと訊くので、上記の値段を教えると、「よくインターネットでそんな大金を出して購入する気になれますねえ。私なんかはとても信用できません」という。私もつい1年前まではそうだった。

 3万円出せば、ちょっとした絵が買えますよ、とその額縁屋はいう。つまり、なんでこんな漫画の絵なんかにそんな大金を出すのかねといいたいのだろう。ちょっとした絵といわれても、3万円で気に入った絵が買えるとは限らないし、フツーの絵画と漫画の原画でどっちがエライという問題じゃないだろう。趣味の問題だ。結婚式でくれるような退屈な油絵より、胃をきりきりさせながら徹夜で描いた漫画の方が私の好みだ。

 そのあと、武田秀雄リトグラフも買った。これは6000円と非常に安かったんだが、残念ながら武田秀雄そのものを知らない人が多い。武田秀雄といえば、私の大学時代のスター漫画家(ヒトコマ漫画家)で、文春漫画賞をとった方だが、この人の作品は漫画というより芸術的な香りのするイラストである(サイトによれば世界で初めて大英博物館で個展を開いた漫画家だそうだ)。こっちをご覧下さい。
 武田秀雄オフィシャルサイト http://takeda.cooh3.com/
 ちなみに、『アルタミラ』、『オペラ・グラス』といった武田秀雄の漫画集もおすすめですが、もう手に入れるのは難しいかな。