謹賀新年2007

 あけましておめでとうございます。年賀状を下さったあの人この人、返信できずに申し訳ありません。この場を借りて御礼申し上げます。今年もどうぞよい年になりますように。

 というわけで、今年もいつものように始まった。年の暮れにサダム・フセインがいきなり処刑されて、ろくな年でなかったことの象徴のような気がしたが、年が明けても日本の親子・家族が殺し合っているニュースがかけめぐって、まったくイヤになる。いいかげんにしなさい!

 我が社では、どこかの本を出すと、その地域でもめ事が起きるというジンクスがある。思い起こせば、『海洋アジア』を出せばインドネシアで騒乱が起こり、『アジア横断』を出せばパキスタンが原爆実験をし、『メコンの国』を出せばベトナムで伝染病が発生し、『シルクロード』を出せば内戦が起き、今度もエチオピア特集だぞと言った途端にエチオピア軍がソマリアに侵攻してしまった。まったく悪魔のような出版社なのである。『アジア横断』を改訂しようものならアメリカがイランを攻撃するのは必至なので、世界平和のためにも改訂はあきらめるべきかもしれない(笑)。

 さて、今年は、いろいろとまた本をつくるつもりだ。まず在庫が品切れでご迷惑をおかけしている『メコンの国』の改訂4版を、遅くとも3月末までには何とかしたい。これでバンコクでまたテロ事件が起こったら、この本のせいだと思ってくれ……るなよ。とにかく急ぎ制作中。今しばらくお待ちを。

 それから、本誌で大好評だった「アジア・カレー大全」にさらに原稿を補強して単行本化する。当初の予定では去年の秋には出ているはずだったのだが、例によってずれこんでいて、3月ぐらいには出せる(かもしれないが、『メコンの国』次第である)。

 それから、ずっと前の本誌の編集後記にちらっと書いたのだが、堀田あきおさんの新刊(既刊の復刊)と、さいとう夫婦の新刊。これもずいぶん前からスケジュールに入っていたのだが、ところてん式に押し出されて遅れている。タイトルさえ決まっていない。すいません。

 ここまでが来年上半期の予定。それだけで4冊もある。こんなに本が出せるのだろうか。うーむ、やっぱり無理かもしれません。下半期も予定はあるのだけど、恐ろしくて企画の名前を出すこともはばかれる。著者にはごめんなさい。もちろん出しますよ、時期はずれ込むかもしれませんが。

 さて、前の当欄「りぼん」の時代(2006年11月27日)に、次のように書いた。
「先日、図書館に行ったときに、偶然棚にあった文庫『『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代―たそがれ時にみつけたもの』(大塚英志ちくま文庫)が目にとまった。単行本が1991年に出版され、1995年に文庫化されたようだが、ぜんぜん知らなかった。」

 これを以下のように訂正する。
「先日、たまたま自宅の本棚を眺めていたら、棚にあった『『りぼん』のふろくと乙女ちっくの時代―たそがれ時にみつけたもの』(大塚英志ちくま文庫)が目にとまった。単行本が1991年に出版され、1995年に文庫化されたようだが、すっかり忘れていてぜんぜん読んでいなかった。」

 やれやれ。年々ぼけていく一方である。あと何年仕事ができることやら。今年もどうぞよろしく。