年末の大掃除

 今年もいよいよ押し詰まってきた。今年の冬は寒いですね。昨年はこの時期にスマトラ沖地震が起きて大変な騒ぎだったが、今年は特急列車が脱線して死亡者が出る事件が起きてしまった。まったく平和な年末がなかなか訪れてこない。例の姉歯物件に入居した方々も、この年末はつらい思いをなさっていることだろう。まことにお気の毒である。

 さて、年末が近づいてくると、いつも問題になることが2つある。1つ目が仕事の年末進行スケジュール。この時期は、どの執筆者も年末進行やらなにやらで忙しく、原稿が遅れ気味になる方もいらっしゃる。それで、一本でも原稿が遅れると、それを待っているこちらは制作がずれ込んでいき、結局のところ年末年始にも仕事をしなければならなくなる。昨年はそうだったが、今年はありがたいことに原稿が全部揃ったので、無事に平和な正月を迎えられそうである。

 2つ目が掃除だ。わが家でも一応年末の大掃除をやることになっているんだけれど、前述の仕事との絡みもあるので、時間がとれるのかが微妙なのである。しかも、日頃からまめに掃除をやっている家庭なら、年末だからといってあわてふためいて掃除をする必要はないのだろうが、うちは本誌の発行に合わせて掃除も季刊である(決めているわけではないが、そうなってしまう)。したがって、年末の掃除は絶対に欠かせない。ここでやらなかったら、わが家は果てしないホコリとゴミの中に埋まってしまう。

 しかし、掃除は簡単なことではない。まともにやったら3日はかかる。年末に掃除だけに3日も割く余裕はとてもない。それで、12月になってから、少しずつ分けてやることにした。できるだけ毎日、午前中に10〜20分やろうと決意したのである。

 決意したが、やはり毎日はできなかった。当たり前である。毎日掃除できるようだったら、こんなことで悩んだりはしない。それでも少しはやった。今もやっている。ある朝は寝室に掃除機をかけ、ある朝は窓ガラスを拭き、次の朝はキッチンのシンクを磨く。今朝はじゅうたんを日に干してホコリをはたいてきた。だが、せっかく2日前に掃除機をかけたばかりの寝室は、今日はもうホコリだらけだ。まったくキリがない(当たり前だ)。

 普通の家庭ではだいたい毎日掃除をする(らしい)。前にうちにいたK君に、きみんちは毎日掃除してるの? と訊くと、妻が掃除好きで毎日やってますよという。毎日でなくても普通は1日2日おきぐらいにはするものらしい。そうかもしれない。それはわかっているんだが、毎日掃除をするという人は、実にえらいと思う。僕にはとても耐えられない。最大譲って1週間に1度が限界だ。それも自信がないが。

 掃除が行き届いた部屋は気分がいい。僕もそういう片付いたすっきりとした空間で正月を迎えたいと思う。

 今年も読者の皆様にはお世話になりました。来年もどうぞよろしくお願いします。平和で暖かな新年をお迎え下さいますよう。旅に出られる方は、事故がなく、楽しい旅になることをお祈りしております。それでは、また来年。