日記

 日曜日(6月11日)の毎日新聞の読書欄に宮田珠己さんの『わたしの旅に何をする。』のカバー・デザインが、ど〜んと掲載される。書評というよりはカバー・デザインを紹介するコーナー。うちの本のデザインはすべて僕がやっているが、あらかじめ電話による取材があって、どのような意図でデザインしたかを尋ねられた。

 これをつくるとき、事務所にあった段ボール箱を何種類もスキャンして、それを地に敷き、ヒモを斜めにかけるデザインにした。裏側の折り返しに「プリンティッド・マター」のハンコを押し(これも事務所で使っているハンコ)、郵送品というイメージを出したかったのだ。

 パッケージ風のデザインというのは、とくに珍しいものではないが、段ボールを何度もスキャンしてわかったのは、日頃段ボールの色など気にしたことはなかったのに、実にさまざまな色があるということだ。気に入った色の段ボールがなかなか見つからなくて、事務所中の段ボールをひっくりかえして、みんなに迷惑をかけた。

 同じく昨日、事務所で7月号の特集用の座談会を行う。出席者は岡崎大五さん、渡辺義孝さん、前原利行さんのお三方。いずれも博識になる面々で、2時間ほどのつもりが延々4時間を超えた。さすがに疲れた。一度の座談会で、世界中の遺跡を巡ってしまおうという企画が、ちょっと無謀だったかもしれない。

 発作的にプレステ2を購入。ゲーム屋に行ったら目の前に「在庫あり」の文字が見えたのがいけない。やりかけのゲームがあったが、そっちは途中でやめて、プレステ2のゲームに入ってしまう。でも、画面が美しいことなど、10分もやっていると、どうでもよくなってくる。これが画面が粗雑だと、非常にイライラするんだが。要するに、29インチのテレビを買ったときと同じで、感激するのは初めだけ。あとはすぐに慣れる。しかし、小さなテレビに戻ると不満を持つという、これと同じだ。画面の美しさはともかく、ソフトの物語がよく造りこまれているかのほうがやはり大事なのである。