僕の高校時代──1971〜1975(4)下宿

僕の田舎は鹿児島市から車でおよそ1時間半の山間部にある(現在の霧島市)。中学3年の1学期までは地元の学校に通っていたが、そのままだと鹿児島市にある高校へ進学することはできないので、2学期になってから鹿児島市内の中学校へ転校した。いわゆる越境入…

僕の高校時代──1971〜1975(3)教師たち

それだけ勉強に励んだにもかかわらず、テストの席次はいっこうに上がらなかった。 何故席次が上がらないのかはすぐに理解できた。つまり全員が同じように勉強したからである。正確に書くと、僕のように勉強しなくても、僕より頭のいい生徒が大勢いたし、そう…

僕の高校時代──1971〜1975(2)テスト、テスト、テスト

劣等生という刻印を押しつけられることから始まった高校生活は、その後も惨憺たるものであった。進学校というのは成績がすべてである。成績がよければ教師から優遇してもらえるし、悪ければ存在意義を認められない。例えば、どんなに部活動で活躍しても、ク…

僕の高校時代──1971〜1975(1)高校入学

2016年が明けて、1月ももう終わろうとしている。例によって2ヶ月もブログを更新しないままだったので、新年の挨拶もできませんでした。申し訳ありません。 さて、今回からこのブログに連載を始めようと思う。 といっても、10年以上前にある文芸雑誌に書き、…

ピラミッドは誰が造ったのか〜『ピラミッド・タウンを発掘する』を読む

日本のインディ・ジョーンズ、などというと本人が気を悪くするかもしれないが、新進気鋭のピラミッド学者、河江肖剰(かわえ・ゆきのり)さんの『ピラミッド・タウンを発掘する』(新潮社)を読んだ。 エジプトを訪れた際、もちろんピラミッドを見にいった。…

ギターのギブソンが特殊部隊に襲われた訳〜『国家を喰らう官僚たち』を読む

国家を喰らう官僚たち: アメリカを乗っ取る新支配階級作者: ランドポール,Rand Paul,浅川芳裕出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/09/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る ザンビアが不況で通貨が急落し、どうもこうもならない大統領が「…

インド病と腸内フローラ

安保法制反対デモや洪水被害が起きている最中に、ばかばかしい話題を書くのも気が引けるが、ブログの休眠状態が続きそうなので、ちょっと書いてみることにした。 半年ほど前になるが、テレビで腸内フローラの話をやった。ご覧になった方も多いと思うが、簡単…

真知さんの新刊『たまたまザイール、またコンゴ』の話

1年半以上もブログをさぼってしまった。今さら何を書けばいいのかわからないという感じさえする。いつまで続くかわからないけど、今回はこれまたひさしぶりに出た田中真知さんの新刊『たまたまザイール、またコンゴ』(偕成社)をご紹介したい。 真知さんの…

なぜクリップは磁石に吸い上げられてしまうのか。『ワープする宇宙』を読む(ふりをする)。

僕には寝付きの悪い夜というのが近頃まったくない。もともと寝付きはいいのだが、以前は年に2、3日は寝付けない夜があった。それがまったくなくなったのは、抜群の効き目を持つ“睡眠薬”があるからだ。 それは量子物理学の本だ。読んでもさっぱりわからないの…

『バルカンの花、コーカサスの虹』発刊記念withマサラワーラー、ビリヤニパーティ開催

新刊発行を記念して、マサラワーラーのおいしいビリヤニを食べながら楽しい時間を過ごしましょう。料理は新刊の内容とは関係ありませんけど、ビリヤニを食べるいい機会ですのでよろしかったらどうぞ。マサラワーラーのビリヤニはおいしいですよ! ついでにト…

新刊『バルカンの花、コーカサスの虹』の制作終了(5月20日発売)

このところずっと取り組んでいた新刊『バルカンの花、コーカサスの虹』の制作がようやく終了した。旅行人本誌に掲載したコーカサス編とルーマニア編に加筆し、あらたにバルカン編を書き下ろして1冊にまとめた。296ページとボリュームたっぷり、写真も図版も…

前代未聞のドキュメント映画『アクト・オブ・キリング』

1965年、インドネシアで起きた「9.30事件」と呼ばれる大虐殺のドキュメント映画を試写で観た。この「9.30事件」は「20世紀最大の大虐殺」だそうだが、日本ではほとんど知られていない。私も知らなかった。映画のパンフレットには事件の概要が次のように書か…

日本とモンテネグロの百年戦争

ただいま次の本を書いているところだが、モンテネグロのことを調べていたら、Wikiにおもしろい話が出てきた。なんと、日本は2006年まで101年にわたって、モンテネグロと戦争状態にあったというのである。信じられない話だ。日本人のほとんど誰もそんなことは…

カスピ海は「湖」なのか「海」なのか問題

おひさしぶりでございます。またまた長い間ブログをさぼってしまい申し訳ありません。すでに1月も終わって新年のご挨拶もせぬまま、2月になって大雪に見舞われ、冬季オリンピックが終わったかと思うと、ウクライナでは政権がひっくり返り、もう3月になってし…

本年もお世話になりました

2013年もいよいよあと1週間。クリスマスが過ぎると、あっという間に新年へ突入する。定期的な刊行物がなくなってから数年たち、年末進行という言葉に懐かしささえ覚えるようになった。年末だけどぜんぜん忙しくない。 ヒマなくせになんでブログを書かないの…

神様がくれた娘

配給元からDVDが送られてきた2月15日から公開予定のインド映画。インド映画なんだけどダンスシーンがない。最近はインドでもこういう映画を作るようになったのだろうか、と思いながら観ていたら、なんか観たことがある気がしてしょうがない。それもそのはず…

デジタルパッカー

そろそろ今回の旧ユーゴ旅行も終わる。2年ぶりに旅に出て歩きまわったせいか、身体がついていかず、疲労でダウンしたりして、以前のように一日中歩きまわるというわけにはいかなくなった。しかし、腰痛はなんとか避けられたのはよかった。 ところで、この旅…

バルカンの旅(2)ボスニア・ヘルツェゴビナ

ボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルまで来ました。クロアチアとボスニア・ヘルツェゴビナの国境では、バスにイミグレーションの係員が入ってきて、パスポートを見るだけ。入国スタンプも押さないシンプルさ。 ボスニア・ヘルツェゴビナに入ると、クロアチ…

バルカンへの旅(1)クロアチア

長らくブログをさぼっていましたが、今、バルカン半島を旅行中です。今回はその最初の国クロアチアから。 9月4日、成田からドーハを経由してクロアチアの首都ザグレブに到着。長旅で疲れたので、ちょっとだけ街を散歩。日が傾くと、吹く風が肌寒く感じる。な…

ラジオ出演のお知らせ

今日は、ラジオ出演で六本木へ行ってきました。私の新刊の営業活動ですね。 幻冬舎の編集担当の穂原さんとの対談という形で、1回5分で1週間分5回を録音。 放送局は短波でラジオNIKKEIなんですが、いまどき短波ラジオって持ってる人いないのではない? と思い…

怪我の治し方

つい最近、私が小さな怪我をした時、衝撃的なことを知った。 友人がいう。 「傷は消毒しちゃだめだよ。それで乾燥させない方が治りが早いよ」 「え〜っ! それまったく逆じゃない」 「そうなんだよ」 友人がいうには、これまでいわれていたことと違って、傷…

『あの日、僕は旅に出た』の装幀

今度出した私の新刊『あの日、僕は旅に出た』の装幀は鈴木成一さんがやってくださった。装幀に興味がある方なら鈴木成一さんをご存じない方はいないだろうが、人気、実力ともトップクラスの装幀家だ。もちろん私も大ファンで、これまで何冊かの本をデザイン…

濱さんのこと(3)ロールスロイス・ファントム2のレストア

そして、濱氏はいよいよ最初に書いたクラシックカーの制作に。この車のシャシーは、父である徳太郎氏が所有していた1933年製ロールスロイス・ファントム2(9MW)のものだという。なんと80年も前の車なのだ。徳太郎氏はそれを1957年に手に入れたそうだ。それ…

濱素紀さんのこと(2)車のデザイン世界へ

濱氏はそこからどうやって車のデザインへ進んでいったのか。 濱「父が日本クラシックカークラブの会長をやってましてね。そのメンバーの一人がトヨタの中古車を売っていた。クラウンが発売されたばかりのころです。当時はそのほとんどがタクシーですよ。事故…

濱素紀さんのこと(1)工業デザイナー前夜

友人が引っ越しするので、使っていた大きなテーブルをいらないかといわれ、友人のアパートへ行った。友人が、来たついでにという口調で、ここのアパートの大家さんは変なものを作っているから見せてもらえば? という。それでその友人が大家さんを遠慮なく呼…

『あの日、僕は旅に出た』(幻冬舎)PV

『あの日、僕は旅に出た』がアマゾンで予約可能に

私の新刊、『あの日、僕は旅に出た』(幻冬舎、1545円)がアマゾンで予約可能になりましたので、お知らせします。どうぞよろしくお願いします。

横谷“ブッダ”宣の4年間

昨日(6月22日)は午後2時から、西早稲田で堀田あきお&かよさんのトークイベントがあり、それに参加したあと、午後7時からお茶の水で横谷宣さんと田中真知さんの対談を聞きにいくという忙しい一日だった。どちらの会場も大入満員で、私のように2つの会場を…

『あの日、僕は旅に出た』カバーデザイン

夕べ遅く、待ちに待ったカバーデザインが届きました。このようになりました。 デザインは鈴木成一さん、帯の推薦文は石井光太さんが書いて下さいました。ありがとうございました。 タイトル文字が明朝だったのは予想外でしたが、シンプルな構成で文芸書のよ…

『あの日、僕は旅に出た』もうひとつのあとがき

幻冬舎から私の新刊が7月13日に出ることが決まった。タイトルは『あの日、僕は旅に出た』。タイトルは紆余曲折あって、最終的に妻の小川京子が考えたものになった。自著でタイトルにこれほど悩んだことはなかった。候補だけで30本ぐらいはあっただろうか。い…